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板橋区で工事中の『FPの家 M邸』の話です。
各階で無垢フローリングの施工が始まりました。
М様の意向で、各階ごとに床材が異なっています。
写真は2階に張られたホワイトオークのユニタイプ。
なかなか雰囲気があるでしょ?
ウィスキーの樽材としてよく用いられるオーク。
その中でも、最も有名なのがホワイトオークです。
重厚かつ強靭なホワイトオークの導管孔内には『チロース』と呼ばれる繊維構造があり、醸造樽として使っても液漏れすることがありません。
一方、適度な硬さと加工しやすいレッドオークは、ホワイトオークよりもやや成長が早いため、木目が粗く樽材にすると液漏れしてしまいます。
同じ樹種でも違う性格。
まるで人間の兄弟みたいでしょ?
自然って面白いですよね・・・。
こうした個性を楽しむのであれば、やはり無垢材です。
残念ながら、貼りものでは・・・。
でも無垢材って、それなりに扱いが難しいんです。
例えば、湿度によって伸び縮みします。
乾燥材を使っても、防ぐことはできません。
もちろん接着剤を使って下地合板にべったりと固定する事で、ある程度の動きを抑える事は可能です。
でも接着剤の多様は、室内空気環境を悪化させるかもしれません・・・。
そこで弊社では、床材間に適度な隙間を開けて張るようにしています。
写真にも緑色のスペーサーが写っていたでしょ?
施工時にこれを挟む事で、ちょうど良い隙間をつくる事ができるんです。
この隙間が、伸びた時に床材同士の干渉を押さえます。
干渉すると床鳴りを起こすんですよね・・・。
でも隙間を開け過ぎると、縮んだ時に下地合板が見えてしまうんです。
床材の巾や厚さ、樹種や木目そして乾燥具合や室内環境により、伸縮具合は異なります。
これを見極め、適した隙間をつくる。
こうしたスキルが、無垢フローリングを利用する際には必要となる訳です。
大工さんって、凄いですよね。
弊社の場合、2・3階のフローリング下に写真のような制振ゴムを敷いているので、より床鳴りが発生しやすくなります。
フローリングに載ると、制振ゴムがある分よけいに沈むからです。
だから1階よりも、少しだけ隙間ょを大きくしています。
ちなみに、こんな制振ゴムを採用しています。
6mm×455mm×910mmの制振ゴムは、3mm厚の合成ゴムと3mm圧のフェルトで出来ています。
1枚当たりの重量はおよそ3kg強!
結構重いから、荷揚げが大変です。
でも、階上音対策としては抜群の効果が期待できるんです。
階上音って気になるでしょ?
ご存じでしたか?
FPの家って気密性が高く、外部から侵入する音が少ないのも特長のひとつなんです。
でも、そのせいで室内音が気になる事があるんです。
回りが煩ければ気にならないけど、静かだと煩くかんじちゃうんですよね・・・。
テレビの音や話声、足音やおもちゃ等の落下音。
椅子等を引き摺った音など、階上音には色々あります。
実はこれらには、それぞれに対して有効な対策があるんです。
例えば、足音には『重く硬い材料』が有効です。
そして落下音には『軟らかい材料』が有効。
制振ゴムの合成ゴムが前者に当たり、フェルトが後者に当たる訳です。
効果のほどは、この通り。
(財)建材試験センター簡易測定結果によれば、遮音等級=LL-60をクリアしています。
500Hzにおける性能を例にすれば、軽量床衝撃音低減量は20dB低。
また『日本建築学会床工事WG』が定める『転倒時の衝撃を和らげる緩衝性能(G値)』の推奨値=100Gも大幅にクリア!
学校・幼稚園・高齢者向け施設にも、多数採用実績があゆそうです。
なかなか合理的な制振材なんです。
凄いでしょ!
また天井裏には、写真のような吸音材を敷き込んでいます。
50mm×455mm×910mmのポリエステル綿は、ペットボトルの再生品。
エコでありながら、その吸音率(残響室法)はグラスウール32KGと変わりません。
これが、階上の話声やTV音を聞き取りにくくしてくれるんです。
グラスウールのようにチクチクしないし、コシが強いので垂れることもありません。
温熱環境が良くても、快適とは限りません。
音や匂い、色や手触り等々・・・。
快適な住宅に求められる要素って、色々あるんです。
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。