すぐに取付られないのが残念で仕方ありません。

板橋区で工事中の『FPの家 M邸』の現場写真です。

片流れ屋根の頭頂部を撮ってみました。

良く見ると、緑色の板金が防火破風板にビス留めされているのがわかります。

コレ、片流れ屋根用の換気棟なんです。

上から見ると、こうなっています。

両端には換気機能のないキャップが付けられていますが、ほとんど全部を換気棟にしています。

メーカーの施工図も挙げてみました。

上図を見るとわかるように、尾垂れ部分を化粧破風板にビスで留めるようになっています。

このビスが曲者なんです。

弊社の場合、化粧破風板に防火サイディングを利用しています。

取付は大工ではなくサイディング業者が行っている為、破風板の取付は上棟後1か月~1.5か月程度経過した頃。

この間は、換気棟が付けられません。

その間は、写真のような状況が続く訳です。

透湿ルーフィングを軒先キャップの中に挿し込み、破風下地に張ります。

下端は破風下地より50mm程度垂らすようにしました。

雨が吹き込んでも軒先から侵入する事はありませんが、透湿防水シートを陽光に晒す日が続く訳です。

屋根は、下葺き施工後すぐに葺いてしまうので問題ありません。

でも軒先部分は心配でしょ

でも大丈夫なんです。

弊社の採用するウルトのウートップハイムシールド・ルーフ2SKは、優れた耐紫外線性能により、屋外露出期間が最大16週間となっています。

4か月間陽光に晒しても、性能低下する事はありません。

雨も入らない筈

それでも、やはり心配なんです・・・。

心配だからといって、換気棟を取り付けない訳にもいかないでしょ

弊社の場合、屋根断熱が普通です。

その為、換気棟は遮熱通気層の空気を排出する出口となります。

ここが有効に機能しないと、躯体への輻射熱の影響を抑えることが出来なくなります。

換気棟って、とにかく多い方が良いんです。

日本住環境のカタログに掲載されている図で説明してみましょう。

ここでは

①換気なし

②換気最低基準244㎥/h

③当社基準574㎥/h

の3タイプで、それぞれの小屋裏温度を比較しています。

②が一般的な換気量、③が取れるだけ取った換気量を示しています。

①の小屋裏温度と、②③の小屋裏温度を比べれば効果は一目瞭然です。

②の小屋裏温度は55.4℃、③の温度は50.1℃。

こんな結果を見たら、換気棟をめい一杯設置したくなるでしょ

でも片流れ用換気棟の場合は、諸々の心配事があるのも確かです。

だから早く塞げるように頑張っている訳です。

片流れ屋根にしなければ良いんですが、設計上やむを得ない場合もあるんです・・・。

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