24H換気システムは完成時の風量測定が必須です。

板橋区で工事中の『FPの家 K邸』の話です。

今回は24H換気システムの話を書いてみようと思います。

このお宅で採用したのは、日本住環境㈱のルフロ400。

ダクト式セントラル排気方式の第3種換気に分類されるシステムです。

各所に設けられた排気口から汚染空気を集め、ダクトを通じて換気本体から外に排出。

建物内の気圧が下がる分、新鮮外気を外壁に設けた自然給気口から導入する仕組みです。

仕組みは至ってシンプルなんです。

ダクトを使わない方式もありますが、弊社ではお勧めしません。

理由は色々ありますが、ここでは割愛させて戴きます。

そもそも24H換気とは、家中の空気を2時間に1回新鮮空気と交換する事で、シックハウス症候群の発症を抑えるのが目的です。

0.5回/h換気なんて言う場合もあります。

でも換気システムって、設置すればOKという訳ではありません。

設計段階で、ある程度の事は想定していますが、現場では何が起こるかわからないでしょ

例えば建物の気密状況です。

換気って隙間からの空気の出入りに大きく左右されます。

隙間が大きいと、右側のように隙間から入る空気で計画的な換気が出来ないんです。

第3種換気の場合の、C値と自然給気口からの給気量の関係を示したグラフを挙げてみました。

例えばC値が5.0㎠/㎡の場合、給気口から得られる新鮮空気の量は本来の17%にしかなりません。

残り83%は隙間から得る事になります。

C値が0.5㎠/㎡になれば、これが66%になります。

それでも34%の新鮮空気は隙間から入ってくる訳です。

新鮮空気と書きましたが、壁や天井の中の塵や埃等が混じっているかも知れません。

場合によっては揮発した合成殺虫剤を含んでいる場合もある訳です。

なんか怖くないですか・・・。

また梁の影響で、ダクトの経路が変わればダクト長さも変わります。

縮む分には良いけど、伸びると圧損が増えて通気量が減ってしまいます。

もちろん、ダクト径による通気量の違いは設計時に検討出来ます。

でもダクトの曲がりや潰れも圧損に繋がるので、実際は設計通りの風量が出ない事も多いんです。

設計よりも少なければ、換気不足が原因でシックハウス症候群の発症を招くかも知れません・・・。

またCO2が多すぎて、眠気を催したり頭痛に悩まされる事もあります。

逆に換気過多であれば、電気代が高くなってしまいます。

せっかくエアコンで快適な空気にしたのに、その空気をバンバン捨てて外気を導入する事になるからです。

そもそも換気風量が多くなれば、換気システム自体の電気代も上がるんですよね・・・。

ご存じでしたか

換気計画って、ダーティーゾーンと呼ばれる汚い空気を発生する場所から空気を排出し、居室に新鮮空気を導入するのが目的なです。

ただ換気扇を回しせば良いという訳ではありません。

その為に、空気の出入り口と流れを明確にする必要があります。

これが明確になっていなければ、新鮮空気と汚染空気が混じってしまい、計画換気は成り立たなくなってしまいます。

上図では入口と出口が近いため、新鮮空気がショートカットしてしまい、部屋の空気が淀んでいます。

隙間が多い家では、こんな事になっている可能性が高いんです。

空気の流れが見えれば良いのに・・・。

でも残念ながら、空気の流れを見る事は出来ないでしょ

もちろん、特殊な方法で見る事は可能です。

でも費用等を考えると、現実的とは言えません。

だったら、せめて換気風量だけでも確認したいですよね

だから換気風量測定が必要なんです。

C値が良ければ、隙間からの給気で換気経路が乱れる可能性は少なくなります。

先日のC値測定でも、C値が0.3㎠/㎡以下である事が確認できていますから・・・。

という事で、換気風量測定の様子を簡単にご紹介したいと思います。

用意したのは、風量測定器と脚立。

これが計測器です。

マノメーターと言います。

ノズル先端を排気口の中央にある穴に挿すと、風量を計測する事が出来ます。

そして換気図面と換気計算書です。

まず初めに行うのは、外壁に面して設けられた自然給気口を開く事。

写真は閉じた状態です。

全ての給気口を写真のように開けます。

ちなみに蓋を外すと、外に繋がる穴が開いていて、そこに花粉フィルターが詰められています。

次に行うのが、排気口の開度調整です。

天井に設けられた排気口です。

写真は全開状態(開度5)となっています。

内側のグリルを回すと、1~0.5刻みで5まで開度を調整する事が出来ます。

この時に活躍するのが脚立なんです。

天井に設置されているので、脚立を利用しなければ届きません・・・。

開度が大きいほど、排気風量が大きくなります。

換気計算書を見ると設計開度が示されているので、まずはこれに合わせるようにしています。

全ての排気口の開度調整が済んだら、いよいよ風量測定を開始します。

換気量を調整するためのコントローラーです。

青いランプが正常運転を示しています。

黒いダイヤルが換気量を調整するダイヤルです。

写真は1.5になっています。

換気計算書を見ると設計値が示されているので、まずはこの値に合わせます。

計測の様子を撮ってみました。

写真のように計測器のノズル先端を排気口の中央部にある穴に挿します。

そして、メーターを読みます。

この作業を全ての排気口で行い、合計風量を算出。

必要風量が出なければ、黒いダイヤルの値を上げて再度計測を行います。

合計風量が設計風量を上回ったら、今度は個々の排気口の風量を換気計画に合わせて調整します。

開度調整をやり直す訳です。

全ての排気風量が計画通りになれば、換気風量測定終了です。

この結果を報告書にまとめ、お引渡し時にK様に提出します。

簡単なようで、意外とコツがいるんですよね・・・。

1時間もあれば出来る作業です。

でも意外と換気風量測定を行っていない工務店も多いようです。

そもそも風量測定器を持ってないかも・・・。

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