建物の動きに追従して、施工後のひび割れや破断を抑えてくれます。

10月08日付のアセットフォー日記となります。

練馬・板橋の天気は雨。

天気予報では最高気温26℃となっていましたが、本当かな

もっと寒い気がします・・・。

練馬区の『FPの家 C邸』の写真を挙げてみました。

あまり映りがよくありませんね・・・。

弊社が使う2種類の発泡ウレタンを撮ってみました。

ちなみに弊社では、ガンタイプしか使いません。

ノズルタイプって、一度使うとノズル内でウレタンが硬化してしまいます。

ノズル内で固まると、もう使えないんです。

でもガンタイプなら、何度でも使えます。

一度に大量の発泡ウレタンを充填するのなら、ノズルタイプでOK

少しづつ、何回にも分けて使うならノズルタイプはNGなんです。

当然ウレタンガンは、それなりの価格です。

でもノズルは、ボンベの付属品です。

前者の方が初期投資は高くなります。

だけど、結局安くつくんです。

写真の話に戻ります。

缶が2種類あるでしょ

小さい赤缶は、ウルトのピュアロジックフレックス。

弾性ウレタンです。

建物の動きに追従して、施工後のひび割れや破断を抑えてくれます。

大きい青缶は、マクロフレックス。

非弾性タイプのウレタンです。

どちらも一液型の発泡ウレタンですが、性能は結構違います。

弾性・非弾性の違いが一番でしょうか。

断熱性能・気密性能で言えば、後者の方が高くなっています。

硬化時間は大差ありません。ノンフロンで環境にやさしいのも同じです。

価格は後者の方が量が多い分、割安かな

そして、これから寒くなると響いてくるのが施工可能温度の違いです。

前者は-15℃でも、普通にいけます。

特にストレスを感じる事はありません。

でも後者は、20℃を下回ると出が悪くなります。

真冬になれば、お湯で温めないと出てきません。

これ、かなりストレスを感じるんです。

だから少し割高でも、冬季は前者を使いたくなるんです。

上記の違いにより、弊社では2つの発泡ウレタンを使い分けています。

窓回りには、弾性ウレタンを使います。

そして、それ以外の場所には非弾性ウレタンを使います。

あくまでも真冬以外の場合です・・・。

窓と躯体の隙間部分に弾性ウレタンを充填している様子を挙げてみました。

弊社では、躯体と窓の周りに10mm程度の隙間を開けるようにしています。

躯体に地震等の力が加わり変形しても、隙間があればサッシに力が加わる事はないでしょ

サッシやガラスが割れる事もないんです。

でも隙間があれば、外気の冷たさや暑さが室内に影響します。

だって上写真の躯体と窓回りの隙間の先には、厚さ1.5mm程度のフィンしかないんです。

その向こうは、防水シート越しに通気層です・・・。

だから、ここに発泡ウレタンを充填します。

せっかく発泡ウレタンを充填しても、硬化するタイプを使ったら動きに追従出来ず割れるかもしれないでしょ

だから弾性ウレタンが適しているんです。

弾性・非弾性で追従性は3倍も違うそうです。

実際に発泡ウレタンを充填した後の写真です。

左側の白いのがサッシ枠。

右側がFPパネルの木枠です。

間に灰色のモコモコが見えるでしょ

これが弾性ウレタンです。

充填する際には、注意すべき点が2点あります。

①ノズルを奥まで挿し込み、手前に引きながら充填する事。

発泡ウレタンって、発泡圧で奥に向かって膨らむイメージがあるでしょ

でも実際には、ほぼ手前にしか膨らまないんです。

だから一番奥まで挿し込む必要があるんです。

②一度に吹く厚さは30mm程度にしましょう!

一液型の発泡ウレタンスプレーは、空気中の水蒸気と反応して発泡します。

だから吹付厚さが厚くなると、中心部に水蒸気が届かず発泡不良を起こす恐れがあります。

また発泡ウレタンは、発泡時に表面に出来る『スキン層』と言われる硬い部分が重要な役割を持っています。

何回かに分けて吹けば、スキン層も何層かできるでしょ

この多重スキン層が、発泡ウレタンの劣化を防いでくれるんです。

窓回りの納まり図を挙げてみました。

図中に発泡ウレタン①発泡ウレタン②という表記があるでしょ

今回行ったのは、①の施工です。

ウレタンが硬化した後、サッシ内側の縁に合わせてウレタンを平らに切削。

ここにアルミテープを貼ります。

②の施工は、窓枠を取り付けた後となります。

ここに発泡ウレタンを充填し、硬化後平らに切削。

アルミテープを貼って、石膏ボードで塞げば施工完了です。

FPパネルは温度や湿度を一定に保たれた専用工場で作られます。

また発泡時に均一な圧力を掛ける事で、ウレタン内の気泡を独立気泡にしています。

ひとつひとつの気泡がハチの巣状に並んでいる訳です。

でも現場発泡ウレタンは、連続気泡になっているんです。

イラストを見比べてみましょう

個々の気泡が繋がってしまい、ハチの巣とは程遠い状態でしょ。

前者は水蒸気を通しにくい構造ですが、後者は水蒸気を通してしまいます。

ましてスキン層をカットすれば、なおさら水蒸気を通しやすくなります。

だからこそ、アルミテープを使った防湿施工は必須なんです。

ちなみに納まり図のように施工した場合の発泡ウレタンの厚さは、①+②で合計144mmになります。

熱伝導率を0.034W/m・K以下とすれば、熱抵抗は4.2になります。

厚さ105mmのFPパネルの熱抵抗は5.5ですから、24%ダウン程度に納まっている事になります。

またサッシのフィンと耐力面材の間には、熱伝導率0.05W/m・KのVKPテープも挟まっています。

樹脂サッシよりも、はるかに高性能という訳です。

これだけやっておけば、大地震が来ても窓回りの隙間が増大する事はないと思うんですよね。

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