木の利用と地球温暖化対策の関係は・・・

今日は水曜日。

アセットフォーはお休みです。

たまにはスケールの大きい話を書いてみようと思います。

木を利用することは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を減らすことに繋がると言われています。

木は太陽エネルギーによって大気中のCO2が姿を変えた炭素化合物だからです。

この炭素は、木材が燃やされない限り、木材の中に留められています。

また木は『光合成』を行うことで、二酸化炭素を酸素に変えてくれます。

つまり木のたくさん繁った森は、CO2の吸収源であり貯蔵庫でもある訳です。

まさに省CO2の鏡ですよね。

例えば35年生のスギ林(平均木の直径20cm×樹高18m)の場合

1本あたりの吸収(固定)した炭素量は、およそ68kg。

ちなみに1人の人間が呼吸により排出するCO2は、年間約320~360kg。

先程のスギ材であれば、5本ちょっと分です。

だから木を増やしましょう

という結論になります。

でも、ちょっと待ってください

日本には、森林がたくさんありますよね

だったら、CO2問題なんて起こらないのでは

こんな疑問も浮かびます。

実は木って、ずーっと光合成をしている訳ではないんです。

光合成をしていない時は、酸素を吸収してCO2を排出します。

問題は両者のバランスです。

炭素量の変化を縦軸、樹齢を横軸にしたグラフを、ご覧ください。

緑線が光合成による吸収量。

赤線が呼吸による排出量。

その差が炭素固定量となります。

ある樹齢までは成長と共に炭素量は増え続けています。

でもピークを過ぎると徐々に減り始め、ほぼ差は無くなってしまいます。

スギ育成林・ヒノキ育成林・広葉樹天然林、それぞれの1ha当たりの年間平均炭素吸収量を挙げてみました。

先程のグラフの緑線に当たります。

これを見ると、スギ・ヒノキ共に15~20年くらいでピークを迎えていることがわかります。

つまりスギもヒノキも20年過ぎれば、固定量は変わらない事になります。

伐って木材として利用しても、そのまま残していても固定量は変わらない訳です。

であれば伐採し、新しい木を植えるのが一番でしょ

CO2を吸収しなくなった木を吸収してくれる木に変える事が出来ますから。

さらに木材として利用すれば、固定したCO2をそのまま維持する事が出来ます。

木製家具でも良いし、内装材でも良いんです。

木造住宅であれば、なおさら効果は高まります。

国産材であればなおさらです。

木を木材に加工する際には、様々な形でCO2を排出します。

また、その運搬にもCO2を排出します。

移動距離があればあるほど、その量は増えるんです。

可能であれば地元材が一番です。

それが無理なら、せめて国産材を利用しましょう。

そして木材をたっぷりと使った木造住宅を建てましょう

そうすれば、日本の森林資源を有効に利用する事が出来ます。

植える→育てる→伐る→使う→植える

このサイクルを、より狭いエリアで回し続ける事が出来れば、CO2削減だけではなく、地域産業の振興にもなります。

せっかくの木も、使わなきゃお金が出来ないでしょ

お金が無ければ、植えることも出来ないし、育てることも出来ません。

植えても、間伐や下刈り等の世話をしなければ森は育ちません。

こうした作業にも、当然費用は掛かるんです。

実は日本の森林って、年とった木ばかりなんだそうです。

しかも手が足りず、放置された森林が多くあります。

人材・資金不足で、手が打てない状況になっているとの事。

せっかくの森林を活かせていない訳です。

緑が増えれば地球環境の復活にもつながると私は考えます。

もうひとつ考えなければならない事があります。

木材は燃やされない限り、CO2を固定し続ける事が出来ます。

反対に燃やしてしまえば、固定されたCO2は空に戻ってしまいます。

だから木材をなるべく燃やさないようにしなければなりません。

まずは建物の寿命を延ばす事。

そしてリサイクルを徹底する事。

木材を燃料として利用する事を誉め称える人がいますが、燃料としての利用は、あくまでも最終手段なんです。

その前に出来る事は、いくらでもあると思います。

木を大事に使う事こそ、地球温暖化対策の第一歩だと思います。

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