隙間で発生した結露水が躯体を腐食するかもしれないし・・・。

練馬区で工事中の『FPの家 C邸』の話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

躯体と窓枠の間に発泡ウレタンを充填しています。

木材と白い窓枠の間にある灰色の物体が発泡ウレタン。

弊社ではウルトの弾性発泡ウレタンを使っています。

一般的なモノと比べて軟らかいのが特徴です。

建物の動きに追従出来るため、破断する危険が少ないんです。

 

 

 

 

 

そもそも窓枠と躯体の間への発泡ウレタン充填は、断熱性向上が目的です。

せっかく充填しても、破断すれば隙間が出来てしまい、意味がないでしょ

ちなみに『住宅省エネルギー技術施工技術者講習』のテキストには、次のイラストと共にこんな事が記載されています。

4.開口部まわりの断熱

4.1.開口部まわり

(1)開口部まわりの断熱施工

開口部の上下は、胴差・桁~まぐさおよび窓台~土台間に、寸法に合わせてカットした断熱材を外壁と同じ施工方法で充填します。

サッシを取り付けた後、まぐさや柱・間柱とサッシ本体の隙間は、断熱材の端材を詰めたり、現場発泡断熱材等で塞ぎます。

弊社の場合は、断熱材の端材ではなく現場発泡断熱材を充填している訳です。

 

 

 

 

 

 

 

でもサッシと躯体の隙間には2種類あるんです。

上図をご覧ください。

弊社の窓回りの標準的な断熱補強の様子をイラストにしたものとなります。

発泡ウレタンに①と②があるでしょ

①がグレー色の部分、そして②が黄色い部分となります。

弊社では樹脂サッシを取り付けた段階で、写真のように発泡ウレタンを充填します。

これが①の段階です。

そして発泡ウレタンを平らに切削し、アルミテープを貼ります。

これでサッシと躯体の隙間から侵入する水蒸気や空気を防ぐことが出来ます。

いわゆる気密・防湿処理です。

参考として、こんな写真を挙げてみました。

この写真は発泡ウレタンを充填する前の窓と躯体の隙間を撮ったものとなります。

フィンの裏側が見えるでしょ

フィンとは窓を躯体に留め付ける際に、釘やビスを打つひれの事です。

サッシにより違いはありますが、厚さ1.5~2.5mmの板状になっています。

フィンの向こう側は通気層ですから、外と考えて差し支えありません。

ちゃんと断熱材を充填し、気密処理しないと恐ろしいことになるのは間違いナシ

でも、未だに何も詰めていない現場があると言うんですから驚きですよね・・・。

先日、瑕疵保険の検査員と話していたら、検査員が愚痴を溢していました。

話を元に戻したいと思います。

冒頭の写真は、発泡ウレタン②の様子を撮ったものだったんです。

ここに発泡ウレタンを充填しておけば、発泡ウレタン①の上に貼ったアルミテープが剥がれるのを防いでくれます。

そして隙間の断熱性能を担保してくれます。

しかも弾性ウレタンだから、地震や耐風で建物が動いても破断しません。

凄いでしょ

但し、施工時に注意しなければならない事もあります。

①ノズルを奥まで挿し込む事。

 手前で吹いても奥までウレタンは入りません。

②あまり厚く吹かない事。

 空気中の水蒸気と反応して発泡する仕組みです。

 厚く吹くと中のウレタンが水蒸気に触れる事が出来ず、発泡不良を起こすかもしれません。

③気温が低い日は、接着不良を起こす事もあります。

 気温が低いと発泡しにくい製品があります。

 また非着物が冷たいと接着不良を起こす事があります。

なお③に関しては、製品に必ず注意書きがあるので確認しましょう

ちなみにウルトの弾性発泡ウレタンであれば問題ありません。

良く高性能サッシのカタログには、上図のような画像が見られます。

フレームやガラスの性能が低いから、サッシの周りにはヒエヒエゾーンが出来ますよ

だから高性能サッシにしましょう

という趣旨だと思います。

これ、間違いではありません。

でもサッシ周りの隙間を的確に断熱補強&気密処理していなければ、同じ事だと思うんです。

隙間で発生した結露水が躯体を腐食するかもしれないし・・・。

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