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今日は水曜日。
アセットフォーはお休みです。
でも真面目な話を書こうと思います。
練馬区で工事中の『FPの家 C邸』のポーチ天井を撮ってみました。
いつものように厚さ12ミリのケイカル板を張っています。
でも今回は、この上に専用塗料を塗って仕上げる訳ではありません。
さらに、コレを張るんです。
以前に某現場で採用した際に、メーカーが加工形状を間違えて納品した事があります。
直ぐに本来の形状をした軒天材が納品され事なきを得ましたが、その際に余ってしまったのがコレ!
サーモウッド処理が施され、耐久性が高上した東京都多摩地区産のスギ材です。
在庫処分という事で、思いっきりサービス価格で対応させて戴きました。
ちなみにサーモウッド処理とは、木材を薬剤を使用せずに熱と水蒸気だけで木材の性質を向上させる技術。
元々はフィンランドで誕生しました。
この技術を越井木材工業㈱が日本の樹種でも使えるよう改良し、様々な地域産材・間伐材に利用・販売しています。
チョコレートみたいな色でしょ?
鼻の近くに持ってくると、香ばしい匂いがします。
しかも普通のスギと比べて、かなり軽いんです。
コレ、高温処理の影響との事。
そもそも木材の寸法変化は、木材への水分の出入りによって大きく左右されます。
木材の含水率は湿度によっても変化し、日本の気候で木材を使用していると約15~20%になります。
でもサーモウッド処理を行えば、同じ条件下でも含水率は10%以下まで抑えることができます。
よって、水分の出入りによる寸法変化が起こりにくくなります。
無処理木材と比べると、木材の収縮率の違いは一目瞭然でしょ?
この高い寸法安定性と耐久性により、本場フィンランドではサウナの材料としても広く使用されているそうです。
また220℃以上の処理で、耐朽性も向上することが分かっています。
防腐性能が向上し、スギでもヒノキと同等以上の効果を発揮。
オオウズラタケやカワラタケといった木材を腐らせる菌類に強くなります。
腐朽が起こりやすい高温多湿の室内で土中に処理材を埋める実験の様子です。
野外の土中に比べて、2~4倍の速さで腐朽が進むらしい・・・。
2年経過後の試験体の腐朽状況は、こんな感じです。
上から下にいくほど、サーモ処理時の温度を下げています。
一般的には180~250℃の高温で処理するそうですが、210℃を下回ると腐朽が始まるようですね。
なお越井木材工業㈱のスーパーサーモ材は、240℃で処理しているそうなので問題なさそうです。
スギ材の利用価値を高めるのに有効な技術との事。
木材は150℃に熱せられると、表面が褐色に変色。
200℃で木材成分が熱分解。
250℃超で熱分解が急速に進み、可燃性ガスが増大して引火。
煙も発生するそうです。
240℃って、かなりギリギリですよね。
あの匂いや色って、焦げているって事なのかな?
以前、越井木材の研究員に聞いた事があります。
成分が熱分解すると、木の繊維がスカスカのスポンジ状になるそうです。
スポンジって水を含んでも、すぐに水が下に落ちちゃうでしょ?
だから寸法変化しにくいんだそうです。
また腐朽菌の栄養となる成分も少なくなるので耐朽性が向上するようです。
比較的雨掛かりの少ない軒天であれば、反りなどのあばれも防げるし腐朽にも強いから安心でしょ?
木の板を張りたいけど、頻繁にメンテナンスを行うのが面倒!って方が多いんです。
こんな方にも、お勧めの軒天材だと思います。
弊社では無塗装のまま仕上げています。
塗り替えもいらないので、まさにメンテナンスフリーだと思います。
地域産材を利用する事で森林保全や林業活性化に繋がります。
また耐久性を向上させる事で木材を⻑く使えるようになるため、育林の適切なサイクルをつくる事に役立ちます。
地域産材の利用って、省CO2にも有効なんです。
こうした取り組みが増やせれば良いんですが・・・。
住所:東京都練馬区北町2-13-11
電話:03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分
ただいま、現場監督見習いを募集しています。
https://www.assetfor.co.jp/recruit/
上記をご確認ください。