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板橋で解体中の『スケルトンリフォーム K邸』の話です。
1階浴室回りの柱を撮ってみました。
水回りという事で、檜の無垢柱を使っています。
なぜ、わかるのか?
簡単です。
柱に印字されているからです。
写真をよく見ると、見えると思います。
檜正角 3m 105cm (背割り)一等
という文字、見つけられましたか?
ちなみに正角(しょうかく)とは、一辺の長さが7.5センチ以上の角材(断面が正方形)を指します。
そして一辺の長さが 3.5寸(約10.5cm)~4.0寸(約12cm)になると「柱角(はしらかく)」になります。
この柱は長さ3.0m×105mm×105mmの檜一等材である事を示している訳です。
また背割りが入っている事も示されています。
但し、この印字、逆さまなんです。
だから、とても読みにくい・・・。
この柱を見て、昔の事を思い出しました。
実は私、材木屋さんにいた事があるんです。
正確には地域ビルダーの木材調達&プレカット部門だったんですが・・・。
その時に先輩に教えて貰った事がありました。
その話を書こうと思います。
ご存じでしたか?
木材には、元と末があります。
これ、木の時の上下を表しています。
地面に近い方を元、上を末と言います。
そして一般的には、木材は元を下にして建てるようにしています。
反対に末を下にして立てられた柱は、『逆柱』と言われ忌み嫌われています。
以下、ウィキペディアからの抜粋です。
逆柱(さかばしら)または逆さ柱(さかさばしら)は、日本の木造建築における俗信の一つで、木材を建物の柱にする際、木が本来生えていた方向と上下逆にして柱を立てることを言う。
古来より逆柱にされた木は、夜中になると家鳴り等を起こすとも言われていた。
また、家運を衰微させるほか、火災などの災いや不吉な出来事を引き起こすと言われており、忌み嫌われていた。
こんな記事を読むと心配になりますよね?
柱の印字が逆ってことは、もしかして逆柱なの?
でも、ご安心ください。
ちゃんと元が下になっています。
現場で確認しました。
では何で逆向きなの?
謎ですよね・・・。
実は昔の柱って、今回のように上下逆さまに印字されているケースが多いんです。
実は昔、こんな俗説が広まっていたそうです。
昔は今のように機械を使った人工乾燥なんて行っていませんでした。
枯らしと呼ばれる、製材した柱を立てて乾燥させる方法を採用していたんです。
その際に、元を上にし、末を下に立てる事が多かったとの事。
木は地面から水を吸い上げるでしょ?
つまり水は元から末に流れる訳です。
どうせ立てるなら、元を上にして末を下にした方が、より水が抜けるんじゃない?
そう考えられていたようです。
だから柱は上下逆さまに立てられていました。
嘘みたいでしょ?
でも本当の事なんです。
そして、その状態で印字されました。柱をひっくり返すのが面倒だったんだと思います。
だったら上下逆さまに印字すれば良かったのに・・・。
でも、何故かそのまま印字したようです。
結果、柱の印字は逆さまになっていしまいました。
なんか、スッキリしません・・・。
隠れてしまうから、問題なしと判断されたのかな???
もちろん現代の印字は、逆さまになんかなっていません。
当然ですよね。
印字があれば、それに合わせて立ててしまう施工者もいると思います。
コワイ・コワイ・・・。
時代が変われば、色々な事が変わるという話でした。
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