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ニュースが入って来ました。
LIXILのスーパーウォール工法で採用している硬質ウレタンフォームの組成が変わるそうです。
従来の硬質ウレタンフォームは『水発泡ウレタン』でした。
これを『HFO発泡ウレタン』に変える事で、熱伝導率が0.026W/m・Kから0.019W/m・Kに向上します。
と言っても、わかりにくいですよね・・・。
仮に新しいHFOウレタンパネルの厚さが100mmだとしたら、熱抵抗は5.26になります。
この性能を水発泡ウレタンパネルで実現しようとすれば、137mmの厚さにしなければなりません。
この位、断熱性能が向上している訳です。
SW工法、凄いじゃん!
でも実は2019年に一度、HFO化に踏み切っていたんです。
でも、その際は米国ハネウェル社の工場がハリケーン被害に遭ったせいで実現出来ませんでした。
HFOウレタンの原料って、ハネウィル社でしか作れないんだそうです。
原料が入って来なければ、作れませんよね・・・。
実はFPの家の硬質ウレタンフォームもHFOウレタンです。
だからハネウェル社の事故を聴いた時は、正直焦りました💦💦💦
でも過去の購買実績等を鑑みて、FPの家の方に便宜を図ってくれたんだと思います。
SWがHFOウレタンを諦めていた間も、弊社ではずーっとHFOウレタンを使い続けていました。
ここで硬質ウレタンフォームの話を少しだけ、したいと思います。
FPウレタン断熱パネルを始めとする発泡プラスチック系の断熱材は、気泡の中に閉じ込めた『動かない空気』の断熱性能を利用しています。
そして、気泡を閉じ込めるのが気泡膜です。
発泡ウレタンの断面拡大写真を挙げてみました。
ハチの巣みたいに小さな空間が仕切り壁に囲まれているでしょ?
前者が気泡、後者が気泡膜となります。
実は繊維系断熱材も一緒なんです。
でも繊維系断熱材には気泡膜はありません。
だからセーターのように、繊維に絡まった空気の断熱性能を利用しているんです。
細かな繊維が絡み合って出来た空気室内の空気が静止しているそうです。
動かない空気は、熱の移動が少なく高い断熱性を発揮します。
これがグラスウールによる保温の仕組みです。
でも絡まっているだけなんで、風に当たると暖かい空気が逃げちゃうんです。
その点、発泡ウレタンは気泡が気泡膜で閉じ込められているので安心でしょ!
水や水蒸気を通しにくいのも特長のひとつになっています。
繊維系断熱材の場合は、周りの空気と繊維で絡めて動かない空気にしています。
ちなみに空気の熱伝導率は0.026W/m・K。
一方、発泡ウレタンの場合は空気ではなく不活性ガスを閉じ込めています。
例えば水発泡ウレタンであれば、中に閉じ込められているのは二酸化炭素ですから熱伝導率は0.14W/m・K。
でもHFOの熱伝導率は0.010W/m・Kなんです。
この違いが、断熱性能に出る訳です。
上イラストは、工場で発泡させた硬質ウレタンと現場で発泡させた硬質ウレタンの断面イメージとなります。
前者は発泡時に加圧する事で、ウレタン発泡が均一となり、それぞれの気泡が独立しています。
一方現場発泡の場合は、自由発泡のためそれぞれの気泡が繋がってしまい、独立出来ていません。
また施工者の熟練度による発泡の違いも気になるところです。
この違いが、性能上の様々な違いの元となる訳です。
FPもSWも、前者だから問題ありませんが・・・。
最後に、もうひとつだけHFO化の狙いを挙げたいと思います。
気泡膜から気泡内のガスが抜け外の空気と置き換わる事を置換と言いますが、発泡ウレタンにおいても実はあります。
長い年月をかけて、少しづつ置換する訳です。
でもHFOは分子構造が二酸化炭素に比べて大きく、また気泡膜が水発泡に比べて厚くなるため置換が起こりにくいんです。
断熱性能が高く、経年による性能低下が起こりにくい訳です。
こんな話を聴けば、HFOしか使えないでしょ!
だからSWも使い始める事になりました。
FPの家では、以前から使っていたんですが・・・。
まあ、FPの家の方が歴史が長いですからね。
その分、経験豊富という訳です。
posted by AssetRed
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