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一般財団法人 環境マテリアル推進協議会主催の
断熱・遮熱技術セミナー(基礎編)
知っておきたい断熱・遮熱理論
東京ビッグサイトまで足を延ばしてきました。
遮熱と断熱、意外と知らない事多いんですよね。
今回のセミナーを受講して、ますます???
日経アーキテクチュアによれば、こんな感じです。
住宅の断熱とは屋根・壁・床や開口部等の内部を伝わっていく熱の量を小さくすることです。
それに対して遮熱は、日射を吸収しないように反射することや、日射を吸収した結果、温度の高くなった面から出る長波長放射(人が感じる放射)が室内に入らないようにすることを意味します。
垂直の不透明な壁であれば、断熱性は遮熱性を兼ねます。
なぜなら光を透過しない材料では、光は熱になって伝わるので断熱性があれば伝わってきません。
つまり、床・壁・天井では、冬に熱を逃がさないための断熱が、夏には熱を入れないための遮熱が効果を発揮します。
この後、遮熱塗料やらガラスを含む開口部。日射遮蔽部材の話などが続くのですが・・・(以下、略)
そうそう、まさにこれです。
断熱性を高めた住宅は、夏に熱がこもってしまい暑くなる傾向にある。
そこで、通風や遮熱対策を充分に行い、日射熱の侵入を阻止して涼しい夏を過ごしましょう!
これが当たり前でしたよね。
でも、少し違っていたようです・・・。
話は熱の移動から始まりました。
①熱対流・・・空気や水を介しての熱移動
②熱伝導・・・固体を介しての熱移動
③熱輻射・・・電磁波が物体に衝突して起こる熱
①はエアコンとかドライヤー。
②はアイロン。どちらもわかりやすいですよね。
でも③はイマイチ・・・。
また、熱移動全体の中でそれぞれの割合は
①・・・20%
②・・・5%
③・・・75%
なんだそうです。(熱輻射がほとんどじゃん!)
しかも、家の中に入った対流熱や伝導熱のほとんどは輻射熱にかわってしまうとか・・・?
ここで、電気ストーブを使った実験が行われます。
ネオマフォームで囲われた実験体と遮熱材リフレクティックスで囲まれた実験体を写真のように電気ストーブの前に並べます。
実験開始時に内部温度は双方とも24.0℃
3時間後には、遮熱材と断熱材の温度差は20℃にもなっていました。
また前者の表面は手で触れるのに対し、後者は熱くて触れないほどに・・・。
『これが輻射熱の正体です。』と言われても・・・。
今までの断熱という考え方は対流熱や伝導熱に対しては有効ですが、熱エネルギー最大の輻射熱には対応できないそうです。
時間経過とともに熱が侵入してしまう。
熱の伝わりを断熱材(熱伝達遅延材が正しいのでは?)の厚さや密度で遅くしているだけでは、解決できません。
それを解決してくれるのが、正しい遮熱施工なんだそうです。
断熱材が取りこぼしてしまう輻射熱を室内に入れないためには、熱反射率の高い遮熱シートと正しい施工方法が必要になるとの事でした。ちなみに一般的に使用されている遮熱シートの反射率は35~60%。今回紹介されたリフレクティックスは97%になっているようです。
写真の米国インディアナ州の工場では、外気温38.5℃でもエアコン未使用で快適に作業しているとの事。ムムム・・・。
しかも、遮熱は夏だけではありません。冬は室内から逃げる熱も反射してくれるため、断熱施工は不要とまで言っています。
この遮熱シート、無敵なの?(断熱は不要なの?)ズバリ聞いてみました。
「輻射熱は97%防ぐ事が出来ます。でも、対流熱や伝導熱は防ぐ事ができません。」
そう云って、先程の電気ストーブの上に輻射シートをしばらく翳していました。それを触らせてもらうと、表面が熱くなっています。
正面からの輻射熱では発熱しないけど、空気による対流熱には弱いらしい。どうやら排熱もポイントのひとつのようです。
非常に透湿抵抗の高いシートなので、気密性を高める事も出来るとも言っていましたが、
躯体の外側に使用する事で躯体内結露の心配がありませんか?
の問いについては、有料セミナーを受講すれば、詳しい施工方法は指導するとの事。
正しい施工方法をとらなければ、何の効果も期待できません。次回の有料セミナーのスケジュールは・・・。
と続きますが、少し白けてしまいました。
弊社の建物は、断熱材の外側に遮熱層及び排熱層を設けています。これにより、輻射熱の35~60%は反射している事になります。
遮熱材の選定も含め、更なる輻射熱対策と、冬場の室内からの熱反射対策も考えなければならないようです。
なんだか頭がグルグルして、ためになったのか、ならなかったのか、よくわからないまま帰ってきました。
頭を整理して、仕事に活かしていきたいと思います。
最後に、快適性は何度でしょうか?という話です。
外気温36℃の太陽下にいると、吹き出すような汗と息詰まるような熱気で立ちくらみがするような思いをします。
木陰に入れば、涼しく感じます。
体温を36.5℃とすれば、外気温はそれより低い温度ですから本来涼しく感じなければなりません。
暑く感じるのは、太陽の輻射熱が直接体に当たって熱を発しているからであり、木陰は木の葉が輻射熱をカットしているから涼しく感じる。
また36℃のお湯に浸かった場合、ぬるく感じる事は誰でも経験していると思います。
暑い・寒いと感じるのは温度だけではないのです。(湿度や風、着衣量・・・。色々ありますよね?)
すまいと温度、健康や省エネにも通じる大切なテーマです。
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posted by t.arai
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