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先日の遮熱セミナー受講の後、
色々な資料に目を通してみました。
私なりに、整理をしてみましたので簡単にご報告したいと思います。
まずは、おさらいです。
熱移動には3つのパターンがあります。
伝導・対流・輻射。
熱の移動を防ぐのが、断熱です。
ところが、従来の断熱はおもに対流と伝導の対策に過ぎず、一番大きな輻射熱には対応出来ていませんでした。
熱移動における割合は、対流5%、伝導20%、輻射75%となっており、おまけに室内に入った輻射熱は伝導熱として
室内温度にさらに影響を与える事になります。
熱線(電磁波)が物体に当たり、振動を与え、物体自身が発熱をする。これが熱輻射です。
従来の断熱工法では、冬は暖かいのですが、遮熱効果を持たないため夏の暑さは防げません。
むしろ断熱材の持つ蓄熱作用によって熱気が内にこもってしまい、熱帯夜に拍車をかける一因にもなっていました。
だったら、断熱材の使用は止めて熱線(電磁波)の反射率の高い遮熱材を使った遮熱工法にしたら良いのではないか?
この遮熱材を躯体の外側に使用する事で、太陽の輻射熱の97%を反射するし、
室内側に使用すれば、コントロールされた室温を室内に跳ね返すため、夏・冬関わらず、非常に省エネです。
でも伝導熱や対流熱には弱いので、施工方法を間違えないことが大切であり、その方法は有料セミナーを受講すれば解説します。
というのが、セミナーの内容だったと思います。
えっ!断熱材要らないの・・・。
上のイラストが、現在弊社が採用している工法のイメージです。
ウレタン断熱材を柱間に充填し、その外側に遮熱シートを貼っています。
イラストにはありませんが、遮熱シートの外側に18mmの通気層(排熱層)が設けられ、その外側に外壁材があります。
外壁に電磁波が当たると、外壁材を透過して遮熱シートで反射され、外壁材の裏や通気胴縁を暖めます。
このまま時間が経過すると、その伝導熱は遮熱シートを通じて、断熱材に伝わります。
でも通気層が暖かくなった空気を上昇させ、軒裏換気口から排出するため、こうなるとこはありません。
遮熱シートは、輻射熱の35~60%しか反射しないとの事ですから、残りの65~40%の電磁波は断熱材に当たり、熱となります。
この熱を建物内に伝導させないために、熱貫流率の低い硬質ウレタン断熱材を採用している訳です。
このケースで、断熱材を省くことはできません。だって・・・
反射率の高い遮熱材が97%の電磁波を防いでくれたとしても、3%の電磁波はそのまま伝導熱となり建物に伝わります。
また、通気層内の空気は室外と同じ温度ですから、その温度が伝わって室温は室外と同じになってしまいます。
通気層を省いたらどうでしょうか?。外気温の伝導は防げますが、反射した電磁波で暖かくなった外壁温度を伝導してしまいます。
どちらもNGですよね。
では室内に遮熱材を使用して、室内からの輻射熱を反射する事はできるのでしょうか?
その為には、室外同様に遮熱材の室内側に通気層(排熱層)を設ける必要があります。
排熱層を設ける事で、石膏ボードと断熱材の間に動く空気ができ、遮熱材への熱伝導を防いでくれる訳ですが、
折角石膏ボードに蓄熱した熱も、一緒に排熱されてしまいます。
『表面輻射による快適性』~Q値には表れない快適性は、FPの家の特長のひとつです。
家の壁や天井、床自体が暖かくなったり冷たくなって室内温度を適温にしてくれるという夢のような環境
(高断熱・充填工法にしか実現できないと思われます。)を捨てるのは勿体ない!
という事で、こちらもNGです。
しかも、遮熱材は透湿抵抗が大きい商品が多く、室外側への使用は躯体内結露を引き起こす危険も含んでいます。
これらの対策も充分に行う必要があると思われます。
まとめてみます。
①反射率の高い遮熱材の採用は有効である。
②遮熱材のみの使用は温熱環境を悪くすると思われる。
③遮熱材の室外側の通気層を省く事は厳禁である。
④室内側に通気層を設けると快適性が低下するため、熱伝導はあきらめるしかないと思われる。
⑤よって、室内側に遮熱材を設けても、あまり効果は期待できないと思われる。
というところでしょうか。(あくまでも私的な判断ではありますが・・・。)
カタログには、NASAの名前とか、宇宙服に使われているとか書いてあります。凄いって思いますよね。
誰かのブログにありました。
宇宙には、そもそも空気が無いんだから、熱対流も熱伝達もありません。熱輻射対策だけすればいいんじゃない?
なるほど・・・。
勉強になりました。
断熱と遮熱、あなたはどう思いますか?
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posted by t.arai
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