野地合板を貼る前に。

『FPの家 Y邸』

本日は日曜日のため、現場はお休みとさせていただいてます。

好天が長続きしない今日この頃、雨の降らない日は無駄にしたくありません。

でも、日曜日に作業させる訳にもいかず・・・。・・・

気を取り直して今回は、昨日アップ出来なかった写真や資料を使い

補足説明をさせていただければと思います。

まずは、『FPの家』の屋根施工イラストをご覧ください。

前回までのおさらいです。

①建て方を行い軸組が完成すると、屋根垂木を取付けました。

②屋根垂木の間に『FP遮断パネル』を取り付けました。

 FP遮断パネルは、硬質ウレタンフォームによる高い断熱性と

 2層の遮熱通気層を持ったスグレモノです。

③パネル表面の緑色に光る『アルミクラフト紙製遮熱通気層』を起こしました。

 ここで、少しのお勉強タイムです。

太陽光が屋根に当たると、熱を発します。この熱を輻射熱と言いますが、太陽光線の中の赤外線(電磁波)が

屋根の分子を振動させることで熱が発生するしくみです。

この時暖まった屋根材は、野地板に熱を伝える(熱伝導)とともに、

電磁波を放出して、野地板に熱を発性させる(熱輻射)ことになります。

アルミクラフト紙は、太陽光線(赤外線)の輻射熱を60%程度反射する事が出来ます。

野地板から発する電磁波は、この遮熱層で40%程度に減る事になります。

でも反射された電磁波は野地板を暖め、さらに温度を高くすることになります。

この熱は、残念ながらアルミクラフト紙を通じてウレタン層に伝わってしまいます。

ここで活躍するのが、通気層です。暖かくなった熱を屋根頭頂部にある『換気棟』を通じて

排出します。

1層目のアルミクラフト紙を透過した40%の電磁波は、さらに2層目のアルミクラフト紙で減少します。

(40%×40%=16%になる計算です。)

ここで発生した輻射熱および伝導熱は、さらに2層目の通気層を通じて換気棟から排出されます。

そして、満を持して『硬質ウレタンフォーム』の登場となる訳です。

2層の遮熱・排熱層(通気層)を潜り抜けた熱を、建物内部に伝えないようにひたすら頑張ります。

換気棟の簡単なしくみを説明します。

屋根頭頂部に設け、遮熱通気層から上がって来た暖気を排出します。

中からの空気は通すけど、雨水は通さない(万が一侵入した雨水は屋根上に排出します)仕組みです。

長さ1.8mで、266.4㎠の換気量があります。標準的な規模の住宅であれば、2箇所も設置すれば充分だと思われます。

(小屋裏の面積に対する換気面積は1/1600を目安にしています。)

ちなみに弊社が採用しているO社の防火換気棟は、200℃になると加熱膨張材が膨らんで

通気を遮断し火災時の熱風・炎・煙の侵入を防ぎます。火事による類焼対策もバッチリです。

遮熱通気層から上がってくる暖気をいかに有効に換気棟まで運ぶかも、ポイントになります。

上図は、弊社の納まり図です。

換気棟廻りの施工が細かく指示してあります。

この通りに施工すること、その施工を目で確認することが大切です。

 

現場の写真では、まだ屋根垂木の上部に設ける横通気の為の切込みがなされていません。

FP遮断パネル相互の接合部に対するウレタン処理はバッチリです。

遮熱通気層もしっかりと確認出来ると思います。

上写真のウレタンガンを使用して、現場発泡ウレタンを吹き付けます。

こうした、細かいところもきちんと確認出来るのも

地域密着工務店のメリットかもしれませんね。

この後、横通気のための切込みを入れ

野地合板を貼っていきます。

その様子は、この場を借りて次回ご報告します。

 

 

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  posted by t.arai

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