blog
『FPの家 S邸』
解体工事、進んでいます。
1階和室の床を剥がしたところです。
奥には立派な床の間がありました。
屋根の撤去が終わった為、2階に上がると青空がきれいに見えました。
2階サッシ下壁の石膏ボードをはがしてみると、
厚さ50mmのグラスウール(10K)が入っていました。
部屋の内側に断熱材を寄せてあります。
(施工マニュアル通りです。)
でも、断熱材の耳は間柱にきちんと留まっていませんでした。
(気密・防露性能の低下を招く、怖い施工です。)
当時の施工はこんなものだったのでしょうか?
『とにかく入れておけば良い』程度の認識だったのかも。
断熱材の断面が黒く変色しています。
カビではありませんでした。
黒いのは、埃です。床の辺りが特に凄い状態でした。
こうなった理由は、おそらく以下の通りだと思います。
①薄い断熱材を採用した為、壁の外側に風の通り道が出来てしまった。
②日差しが当たる外壁は暖かくなると、壁の中に上昇気流が発生する。
③壁内気圧が低下し、室内の空気が隙間から壁の中に吸い込まれる。
④空気がグラスウールの中を通過して、外側の空気層に抜ける際に
グラスウールがフィルターの役目を果たし埃が付着してしまう。
⑤もし、断熱材の内外で温度差があったとしたら
グラスウールに触れた室内の湿気が結露し、
木材腐朽菌が繁殖し、白蟻を呼び込む事になったかも知れません。
今回のケースは、断熱不足で冬寒い住宅であった事で救われた
事例かも知れませんね。
①室内側に連続した防湿層を設ける。
②高性能断熱材を壁の中いっぱいに入れる。
(上昇気流ができないようにする。)
③外壁側に合板等を貼る場合は透湿性の高いものを採用する。
④透湿防水紙を貼り、通気層を設ける。
(壁の中の湿気を排出すると共に、外からの湿気を侵入させないようにする。)
以上のような施工が必要となります。
最近の住宅では、こんな事が起きていない事を願います。
https://www.assetfor.co.jp
posted by t.arai
東京都練馬区北町2-13-11
03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分