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今日は日曜日、現場はお休みです。
大工さん、下職の皆さん。
ゆっくりと体を休めてくださいね。暴飲暴食は厳禁です。
ところで・・・
建築で使う言葉って、少しわかりずらい時ありますよね
透湿・・・湿気を通す事
防湿・・・湿気の侵入を防ぐ事
防湿するのに、透湿が必要なの?
外壁の室内側、石膏ボードの内側に気密フィルムを貼ったりしますが、
防湿フィルムと言ってる人もいます。違うの?
通気・・・空気を通す事
換気・・・空気を入れ替える事
換気と通気ってどうちがうの?
「そんな事、どうでもいいよ」
なんて言わずに、少しだけお付き合いください。
上図を見てください。
これは、木造住宅の外壁の断面の一例です。(ネットから拝借しました)
内部の石膏ボード内側に防湿シートと書いてあります。
※印で高水準な気密性を維持し・・・とも書いてあります。
外部の板張りの内側に通気層が設けてあり、構造用合板の手前に透湿防水シートが貼ってあります。
室内で発生する湿気は、壁の中に侵入すると結露を招く恐れがあります。
湿気侵入を防止するためには防湿シートの施工が必要となります。
建築工事中に不慮の雨で断熱材が濡れてしまう事があります。湿気が防湿シートを通過してしまう事もあるでしょう。
こうした場合に、断熱材に吸着された湿気を排出する為に透湿性の高い(湿気を通しやすい)構造にする必要があります。
室内側には防湿シートが貼ってある為、湿気は排出されません。
透湿性の高い合板および防水紙を使用する事で湿気の抜ける道を用意する。
さらに通気層を設ける事で、外側の気圧を下げ壁内部から湿気を引っ張るようにすることで
湿気を排出する事が出来るしくみです。
湿気の話といえば、まずは『水と水蒸気』からです。
ご存じの通り、水分子はH2Oですよね。
水も水蒸気も変わりはありません。
ただ分子同志が固まっているか、バラバラになっているかの違いのようです。(上図の左が水、右が水蒸気を表します)
透湿防水紙の孔の大きさは0.5~3μm
水蒸気粒子の大きさは0.0004μm
霧雨粒子の大きさは100μm
普通の雨の大きさは2000μm
となっています。
透湿防水紙の穴を1とすると、それぞれの大きさは
1/1250
200~333倍
4000~6666倍
となります。
ちなみに酸素分子や窒素分子、二酸化炭素分子の大きさは水蒸気よりも若干大きいようです。
という事で、
透湿防水紙は水は通さない(防水)けれど水蒸気は通す(透湿)ものであり、空気も通すため気密・防湿には適さないことになります。
少し前に話題になった『PМ2.5』の大きさは2.5μm
透湿防水紙の孔の5~8.3倍ですから、PM2.5も通さない事になります。
水蒸気と酸素・窒素・2酸化炭素の大きさはそれほど変わらないのであれば、
水蒸気が通らないポリエチレンシート等を使えば、防湿および気密できることになります。
厳密にいえば、防湿シートの方が気密シートよりも孔が小さいはずですが・・・。
かたや湿気侵入を防ぐもの。もう片方は漏気を防ぐもの。
どちらも目的こそ違いますが、同じように見受けられます。
いずれにしても、相手は非常に小さいんですから
防湿・気密シートを使ったからといって安心するわけにはいきません。
隙間なく連続して貼ること。
繋ぎ目は下地のある場所で100mm以上重ね、更に上から面状部材で固定する事が大切です。
シートの留付の際には、下地にしっかりと留めるとともに万が一傷をつけてしまった場合は
気密テープによる補修を必ず行う必要があります。
コンセントなどの配線がある場合も丁寧な施工が必要になります。
そうそう、通気と換気の違い忘れていました。
窓から風を通す通風とか
外壁の裏に空気を通す通気層。
軒裏換気口に小屋裏換気。
24時間計画換気。
宿題とさせていただきます。
ごめんなさい。
堅苦しい話で申し訳ありませんでした。
少しだけ、整理がついてスッキリしました。
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posted by t.arai
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