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『FPの家 Y邸』
石膏ボード施工の真っ最中です。
石膏ボードって、随分と昔から色々な建物で使われていますが、あまり気にした事がないように思えます。
付き合いは長いのに、あまり気にしていない。理解していない。
石膏ボードとせっこう。
石膏ボードメーカーのサイトを覗いてみました。
せっこう・・・。
学校のチョークやグランドの白線を思い出してください。
せっこうは元々「焼きせっこう」と呼ばれるものと水を混ぜ合わせた結果、固まった物です。
また「セメント」というものがあります。
水と反応して固まるという点で、焼きせっこうと同じ性質を持っています。
固まったものの用途としては、セメントはモルタル・コンクリート。
焼きせっこうは石膏ボードが身近です。
どちらも建物を造る際には欠かせないものですが、その生成の過程と性質は全く違います。
せっこうの特長は以下の通りです。
①水と反応すると数分から数十分で硬化するため、量産が可能です。
②石膏ボードはリサイクルが可能です。原料の生成過程で地球に外を及ぼしません。
③硬化の過程で収縮しません。
石膏ボードは主に、紙(原紙と言われています)とせっこうから出来ています。
焼きせっこうを水と混ぜて「2水せっこう」へ変化する際に、針状の結晶が出来てせっこうが固まります。
紙とせっこうの接合の仕方は、この針状結晶が紙繊維に食い込んで一体化する仕組みです。
せっこうを固め、その上に紙を接着する訳ではありません。
せっこうが火に強いのは、その重量の21%に相当する「結晶水」に秘密があります。
この結晶水、通常の状態では非常に安定していて発散することはありません。
でも、ひとたび火熱に接すると熱分解を起こし蒸発を始めます。
全ての結晶水が蒸発するまでの間は気化熱のおかげで、その表面温度は一定に保たれます。
このことは、氷にバーナーで炎を吹き付けると、その部分は徐々に溶けて水になり
氷が全部溶けるまでの温度は0℃以下を保ったままという現象と同じです。
実際に石膏ボードにバーナーで炎を当てている動画がありました。
ご興味のある方は、下記のサイトをご覧ください。
www.youtube.com/watch?v=6B6BrYDmh94
最後に石膏ボードのリサイクルについて、簡単にご紹介します。
私達が現場で破棄した石膏ボードは、中間処理施設で他の廃棄物と分別されます。
これがリサイクル工場に運ばれ、上図のように製品化されます。
石膏ボードを継ぎ接ぎに使うと、クロス工事の仕上がりに影響が出ます。
なるべく継ぎ接ぎのないように施工しようとすると、石膏ボードの必要枚数が増えるとともに
廃材も増えることになります。
費用と品質の鬩ぎ合い。プラス環境配慮ですかね。
石膏ボードの原材料のうち、大部分は再資源の活用であり、資源循環型製品の優等生なんだそうです。
上のグラフでわかるように、原料せっこうの7割近くが他産業の生産過程で排出された硫黄分を回収した
副産せっこうであり、それに一度製品化した石膏ボードを回収・再原料化したリサイクルボードを加えると
平成22年度実績で、原料の77%。
更に年間17万t使用している石膏ボード用原紙は、段ボールや新聞紙等の回収古紙を
ほぼ100%使用しているようです。
リサイクル出来ていると聞いて、ひと安心です。
posted by t.arai
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