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『FPの家 Y邸』
まだまだ、クロス工事行っています。
完了まで、後一日というところでしょうか。
前回に引き続き、クロス工事の施工手順についてお話したいと思います。
3.施工割付・張り出し位置の決定
施工割付を行った上で張り出しの位置を決めます。
施工割付は、ドア・窓・照明器具との位置関係や目線・光線の方向によるジョイント部分の
表れ方に注意します。
材料の効果的使用や柄との関係、現場状況などで様々な割付方法があります。
割付を行った上で張り出し位置を決めます。
建物は必ずしも図面と同じ寸法に仕上がっていません。必ず正確に採寸しなければなりません。
採寸は壁面の高さ・巾を実測し、材料の使用数量を確実に計算してください。
この場合、柄物は柄合わせに必要な余分を加えておくことも重要です。
採寸を間違えると、材料をムダにするばかりでなく、時間的にもロスになりますから細心の注意が
必要となります。
この時、施工割付計画と合わせてジョイント部分をどこに持ってくるか配慮する必要もあります。
4.壁面スミ打ち
割付に従いスミ打ちを行います。
①壁面の張り出し基準線は、下げ振り(レーザー)を用いて正確な垂直線を求めてスミを出します。
この時注意することは壁や柱などが垂直であるとは限らないという点です。
レーザー墨出器
②壁面の幅が比較的狭い場合は、右または左隅などから張り出すが
張り出し基準線は下口のへりがくる側に印し最初の上張りの柱や壁などに接する側は、その曲り癖に
合わせて決めつけられるようにします。
③壁面の幅が広い場合、柄物を左右均等に振り分ける場合は、壁面の中心にスミ打ちして振り出し基準線
を印します。
このように広幅のときは割付の途中にも正確な垂直線を印し、狂いを修正しながら張るようにします。
この際、色違いが出ないよう材料の並べ方にも注意が必要です。
④柄物を張る時は柄の通りを確認しながら張れるよう、水平のスミ打ちを行います。
5.天井面のスミ打ち
天井面のスミ打ちは、照明器具などとの関連を考えながら施工割付に従ってスミを打ち
張り出しを決めます。
この時の張り出しは光線の強い方から始める方法と、器具などの関連でセンターから張り出す方法が
あります。
6.材料の点検
材料の点検は現場に入る前に基本的な品番・数量・ロット番号などを確認しておき、
現場に入ってから念のためもう一度点検します。
①色むら~ビニルの場合、直射日光を避け北側の壁や床に広げてみます。
強い光線の下では一種のハレーションを起こし微妙な色違いがわからなくなります。
②ロットの確認と取扱い~材料のロットを確認し、同じ現場は同じロットにします。
また原則として、同じ面は1本の反物を使うようにします。
7.材料の丈決め・長さ裁ち
施工割付に従ってジョイント位置を決め、下地面にスミ打ちまたは印をつけて材料の使用枚数を
決めます。
次に施工部分の長さを実測し、無地の場合は10㎝くらい長めに裁断します。
柄物の場合はリピートの倍数が実寸+10㎝位に合う寸法で裁断します。
裁断寸法の計算例を示します。
丈決めの際は以下の点に注意します。
①柄の上下が一見してわかりにくいものは、柄の上下を間違えないようにする。
②リピートによる柄の納まりを考慮する。
原則として、柄の起点は壁の上端に表れるようにするのが一般的です。
壁によっては上下均等に納める方法もあります。
8.材料の裁断
割付計画に従って裁断を行いますが、柄物は原則として1枚づつ断栽します。
無地物は裏側からスミ打ちを行い、寸法出しをし、刃物を垂直に当て断栽します。
断裁はスミの内側で正確に切り落しますが、ジョイントを重ね裁ち施工する場合は1㎝程度の
重ね代を取ります。厚い物を切る時は裏から裁ちます。
ビニルを断裁する場合は刃物を垂直に当て、切っていく時に縮む性質がありますから注意が
必要です。
断裁は長さ方向に対して常に直角であるようにし、巾裁ちをした際には上下を間違えないよう薄く
印をつける必要があります。
この後、
糊付け
オープンタイム
張出し
なで付け
柄合わせ
ジョイント
切り付け
と続きますが、今回は、ここまでとします。
次回をお楽しみに・・・。
posted by t.arai
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