太陽光と太陽熱のはなし

こんにちは

ホッピー戦隊

ノミタリナインジャーの

ホッピーレッドです。

本日はアセットフォーの定休日になっていますが、

事務所のサーバー交換の為、事務所で待機しています。

時間がたっぷりとありますから、「太陽光と太陽熱」についてお話したいと思います。

お時間の採れる方は、ヨロシクお付き合いください。

 ご存知太陽光パネル

 懐かしの太陽熱温水機

 最新型の太陽熱集熱パネル

太陽熱温水器と太陽熱集熱パネルとは、しくみも大きく違います。

(この辺りの事は、今回は割愛させていただきました。)

自然エネルギーの利用が叫ばれている昨今ですが、

実質的には「太陽光発電のひとり勝ち」を呈しています。

かって太陽といえば、郊外の住宅の屋根に載っていた「太陽熱温水器」が定番だったはず。

それが現状の出荷状況では、悲惨なくらい差がついています。

 

太陽エネルギーは、いかに利用すべきなのか?

熱と電気の関係を考えてみましょう。

太陽光のメリットは、何より「電気が出来る」ことに尽きる。

よく「太陽光発電は太陽エネルギーの10%しか電気に出来ず効率が悪い」という議論があるが、

これはあまり意味がない。確かに太陽熱温水器では、太陽エネルギーの40%以上を熱エネルギーの形で

集めることができる。しかし、熱と電気は全く質が異なるのだ。

熱いお湯は立派な熱エネルギーを持っているが、その熱で洗濯機や掃除機を動かす事はできない。

テレビが見られ、パソコンで仕事に熱中出来るのは電気のおかげだ。

電気と熱は同じエネルギーと言っても、「質が違う」。言うまでもなく電気の方が高いのだ。

発電所で石炭や石油を燃やしても、その熱エネルギーの一部しか電気にすることは出来ない。

一般的な火力発電所から届けられる電気は、燃やした燃料の熱エネルギーのたかだか37%に過ぎない。

つまり家に届いた電気は、その3倍近い燃料を焚いてできた、とても貴重なものなのだ。

例えるなら、電気は「りんごジュース」のようなもの。飲みやすくてりんごの旨味が凝縮されているが、

知らないところでたくさんのりんごが搾られ、大量のカスが捨てられているのである。

この燃やされた燃料の熱量(りんごの量)を「一次エネルギー換算」といい、

得られたエネルギー(りんごジュースの量)を「二次エネルギー換算」と呼ぶ。

電気を他のエネルギーと比較する時には、この一次エネルギー換算が基本である。

こうして作られた電気は、「電気にしか出来ないこと」に優先的に使われなければならない。

電気ヒーターで熱にしてしまうなんて、もってのほかである。

 

このように電気の質の高さを考えると、太陽光発電の発電効率は見掛け上低くても、一次エネルギー換算

では太陽熱温水器と大差ない。そうなると電気の便利さだけが目立ってしまうことになる。

やはり、太陽光発電の圧勝なのか・・・。

人類は化石エネルギー中毒から脱却し、太陽エネルギーに戻る必要に迫られている。

しかし、今まで通り夜型の生活を続けるのであれば、昼の太陽エネルギーを夜のために「ためておく」必要

がある。昨今話題の「蓄電池」は、自宅に金庫をつくって「タンス貯金」するようなもの。昼間に太陽光の電気

を貯めて夜の需要を賄うことで、自然エネルギーによる「完全自立」が可能になる。

ただし、蓄電池は高度な技術とレアメタルを大量に必要とする。非常に高価であり、蓄電池の利用には

ロスがある事をご承知いただきたい。

冷めてしまう熱と違って、蓄電池が電気を貯めている間に生じるロスは大きくない。

問題は、蓄電池を使う際には「入れて」「取り出す」2プロセスが発生することだ。しかも住宅で使う電気は

「交流」で蓄電池の貯める電気は「直流」のため、交流を直流に変換する必要があるのだ。

残念ながらこの変換は、無視できないロスになる。

そもそも蓄電池自体が自分を制御するために(リチウム電気は爆発の危険があるため、

高度な制御が必要になる。)電気を消費するし、どうも電気のタンス預金には穴が開いているようだ。

現在普及しているのは、系統電力に連携し作った電気を貯めずに売電するというもの。

これで昼に稼いだお金をせっせと貯め込み、夜の電気代に充てる事が出来る。

買電<売電となれば、お釣りがくるのだ。

自宅に現金(電気)を置かずに済むので金庫(蓄電池)が要らない。電気は貯めるのは難しいが、

送るのは簡単なので、理にかなった自立の仕方である。

ただしこのやり方は、夜に誰かが電気を供給してくれないと成立しない。つまり発電所が不可欠となり

化石エネルギーへの依存は断ち切れないのだ。

さらに大切なのは、せっかく大量のエネルギーと希少物質を消費して作った太陽光パネルには

目一杯働いてもらうため、出来るだけ好条件の場所に設置することなのだ。

休耕田に大規模太陽光というビジネスプランは、まさにこの点をついている。

比較的送電ロスが少ないから、必ずしも近くに設置する必要もない。

太陽光パネルは、設置の方位・傾斜で発電効率が大きく変わる。

周辺建物や樹木・電線などのわずかな影や飛来する鳥の影、

落ち葉や鳥の糞も出力を大きく低下させる事になる。

その為、本当に太陽光発電に向いている住宅の屋根はそれほど多くない。

そして太陽光が無理ならば、さっさと他の自然エネルギー利用を考えるべきである。

例えば熱は電気と全く反対の特性を持っている。

熱を送る際のロスが大きいので、新鮮なうちに使う必要があり

太陽のエネルギーをひとたび熱に変換したら、すくに近くで使い切る必要がある。

電気のように遠くで変換し、送ることは難しい。

熱には貯めるのが簡単という大きなメリットもあるから、昼間の太陽熱を夜の給湯・暖房に回す事は

至極容易だ。太陽光に比べると影の影響もそれほど大きくないし、設置規模も少なくて済む。

さすがに太陽熱で照明やパソコンは動かすことは出来ないが、給湯め暖房を賄う事が出来れば

必要電力は相当少なくなり、「完全自立」に近づくことができる。

とちらも一長一短があり、それぞれの特徴を活かして戴きたいものである。

エコハウスのうそ/前真之 著(日経BP 刊)より、抜粋・引用させていただきました。

弊社も、太陽光発電に比べ太陽熱集熱は実績は非常に少なく

採用した方の感想や使用電力量等をご報告することができない状況にあります。

今回、『FPの家 Y邸』で2システム採用していただき

1システムは、エコキュートによる深夜電力の削減(給湯費の削減)を

もう1システムは、エコジョーズによる床暖房熱源の削減(冬の暖房費および夏の給湯費の削減)を

図っています。

その利用状況を踏まえ、今後はより効率の良い自然エネルギーの提案が出来ればと考えます。

いかがでしたか?

話長すぎましたかね・・・。

 

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 posted by t.arai 

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