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ひさびさ登場、ご存知『パンイチくん』です。
昨日、お蔭様をもちまして
盛況のうちに終了しました
『FPの家 Y邸』
完成見学会
ワタクシ、「サーモカメラ」を持って潜入調査してまいりましたのでご報告します。
まずは、1階LDの画像です。
説明用のアイテムが並んでいます。
床材はタモ挽板合板(無垢板ではありません)。
弊社には珍しく、ガス温水式床暖房を敷設しています。
サーモ画像は、こんな感じです。
温水パネルの配管の様子がよくわかります。
撮影時間は12月13日、9時30分頃でしょうか。
外気温は12℃といったところかな。
床暖房の強度は9段階中最低の1にしてあります。
エアコン等、他の暖房器具はありません。
画像中の温度帯は20.9~35.9℃となっており、真ん中の丸に十字マーク付近の温度は33.2℃と
なっています。
「えっ、床温度が33.2℃」
足裏がホカホカな筈です。
「床暖を最低にしてて、こんなに暖かいの」
ジャケットを羽織っていると、暑いくらいです。
ちなみに壁温度が21℃くらい、天井温度は26℃くらいになっています。
床暖による熱の伝わり方は、
①床から足に直接伝わる「伝導」
②暖めた空気による「対流」
③熱線(電磁波)による「放射(輻射)」
の3つです。
それぞれを簡単に説明すると、こんな感じになります。
伝導は熱源(床)に直接触れていないと暖かくないし
放射は熱源から直線方向にしか働きません。しかも当たっている面のみ暖かく、当たらない面は
暖かくなりません。(結局、伝導で暖かくなるんですけど・・・。)
熱源からの距離が離れる程、放射による暖房効果は小さくなります。
対流は、裏に廻り込んで暖めることも可能です。
床の温度が高いのは、温水パネルの温度をそのまま伝えているからです。
一般住宅で床暖房をすると、パネル裏の断熱材の能力が不足していて熱は床下に逃げてしまいます。
熱エネルギーの全てを床面に伝える事が出来ず、誰もいない床下を暖めている事になります。
FPの家の床断熱は、性能が高いため、床下に逃げるエネルギーが少ない事が高い温度に繋がっていると
思われます。
壁の温度は、床によって暖められた空気が対流する事で上がったと思われます。
通常の、エアコンによって壁が暖められるケースと同じです。
天井の温度は、対流+放射によるものと思われます。
障害のない状態であれば、2.4mの距離は充分天井を暖めてくれる事がわかりました。
でも、このままではいけません。
床・壁・天井の温度ムラが大き過ぎます。足元が暖かいのは大歓迎ですが、頭がボーッとします。
扇風機を廻して室内空気を循環しても効果はないと思われます。
タイマーを上手に使って、間欠運転をしながらマメな温度管理をお勧めします。
続いて、2階LDの画像です。
弊社の標準的な仕様になっています。
サーモ画像はこんな感じです。
温度帯は18.5~22.5℃。
床・壁・天井とも、大体20℃くらいになっています。
見事に温度ムラがありません。
廊下当たりが、青くなっているのは、ホームエレベーターの鉄の扉が関係しているのかも
しれません。(関連性を引き続き調査してみます。)
次は、お風呂の床と洗面所の床の画像です。
まずは2階です。
サーモ画像は、こんな感じです。
温度帯は、18~22.1℃。
正面の壁とサッシ部分が少し低い温度になっていますが、充分合格レベルだと思います。
1階はこんな感じです。
温度帯は、18.3~22.4℃となっています。
2階に比べて、洗面所床と浴室床の温度差があるようです。
もちろん、問題になるレベルではありませんが・・・。
1階・2階とも、洗面所およびユニットバスの仕様はほぼ同じになっています。
異なるのは、設置階だけです。
もしかして、断熱構造に問題が・・・。
1階浴室は、ユニットバスの構造上、「基礎断熱」になっています。
上のイラストが、FPの家で採用している、「床断熱」のイメージです。
基礎空間(床下)は外気になっています。
こちらが外張り断熱で採用されることが多い、「基礎断熱」のイメージになります。
基礎空間は室内と一緒になっています。
ユニットバスの床下に断熱材を施工する事は難しいため、床断熱・基礎断熱を問わず、一般的には
上イラストのような基礎断熱になります。
基礎断熱は、基礎外周部の気密化を注意するだけで気密施工が容易に出来るので、気密性能を安定
的に確保しやすい。また基礎のコンクリートは室温や地熱の蓄熱層として使えるので、省エネルギー効果
と室温の安定に効果があると言われています。
FPの家の場合は、外気に接する外周部およびその他の外周部の断熱施工だけでなく
耐圧盤の断熱施工も行うため、一般的な基礎断熱よりも高い断熱性能は確保できているはず・・・。
室温と同じはずの床温度が洗面所の床より冷たいとは・・・。
基礎断熱って、やっぱり寒いんじゃないの
なんて思ってしまいます。(繰り返しますが、問題になるレベルの温度差ではありません。)
最後に、換気システムの給気口の画像です。
第3種換気システムの問題点として挙げられているのは、
排気時の熱ロスと給気口からの冷気です。
どちらも、熱交換型の換気システムを採用する事で解消する事が可能です。
でも、
初期投資が高い。
ランニングコストが高い。
高価なフィルターの定期的交換が必要であり、メンテナンス費用が高い。
熱交換時に熱交換素子が結露してしまい、新鮮空気にカビの胞子や臭いが混入する危険がある。
等の問題点から、弊社では採用する機会は少なくなっています。
どのくらいの冷気が出てきているのか、サーモ画像をご覧ください。
温度帯は18.1~26.1℃。1階LDの為、けっこう広くなっています。
青い冷気ゾーンが確かに確認できます。
給気口自体の温度は、22.3℃になっていました。
でも、思った以上に暖かいようですね。風を手にとってみても、ヒンヤリとは感じません。
外気温が12℃程度では、問題ないようですね。
むしろ、アルミと樹脂の複合サッシのフレーム温度が18℃位になっている方が
問題なのかも知れません。
面積の大きいガラス温度は全く問題ありませんから、全体的には何の問題もないと思います。
でも樹脂サッシを採用する事で、もっとムラの無い温熱環境が確保できることになります。
今回は建主様のご厚意により、見学会の為に、床暖房を稼働させていただきました。
(本日より、お引き渡しの間は、ガスの供給を停めてしまった為、運転する事が出来ません。)
ご来場された皆様も、床暖房をご体感していただき、FPの家の断熱性能にびっくりしたご様子。
そして、こうしたサーモカメラによる温熱状況の確認をする事も出来ました。
もっと色々確認したい事もありましたが、お客様をご案内しながらの撮影はなかなか難しく・・・。
少し残念です。
以上で報告は終わりです。
こうした機会がありましたら、また撮影し、ご報告したいと思います。
建主様、ご来場戴いた皆様、本当にありがとございました。
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posted by t.arai
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