blog
快適な室内環境とは、空気や床・壁・天井が適度な温度で、温度ムラがなく、気流感がない環境です。
こうした環境を得る為に、まずは高い断熱性能が必要となります。
これにより空気温度と床・壁・天井の表面温度が近づける事ができます。
また上下の温度ムラも減ります。そのうえで、暖房方式を選びましょう。
まず、場所ごとの温度ムラをなくすには、全館暖房かそれに近いかたちが望ましいと言えます。
採暖文化(人がいる所を暖かくすること。反対に家全体を暖かくすることを暖房といいます)
の日本の家では、間欠暖房が当たり前です。
でも断熱性能が高い家では、これはもったいない運転の仕方です。
連続暖房をしても光熱費はそれほどかかりません。
連続暖房することで、床・壁・天井や家具・小物などあらゆるものに熱を蓄えることが出来るので
設定温度に保つための熱量は少しで済みます。
弱運転の時間や自動停止状態が長くなるため、気流感も感じなくなります。
上のグラフは、部分間欠冷暖房と連続冷暖房のコスト比較を示したものです。
縦軸に年間エネルギーコスト、横軸に断熱・気密レベルとなっています。
0は省エネ対策等級2
1は省エネ対策等級3
2は1と3の中間くらい
3は省エネ対策等級4
4は省エネ対策等級4超(低炭素住宅相当くらい?)
ただし、気密性能については不明です。(おそらくC値2~5程度で設定していると思われます。)
一般的な既存住宅の断熱レヘルは、0レベルもしくはそれ以下と思って差し支えないと思います。
部分間欠冷暖房の場合、1年間の冷暖房コストは6万円くらいでしょうか。
(もちろん、0レベル以下の住宅の場合はもっとかかりますけど。)
一方FPの家の場合は、4レベル以上ですから1年間の冷暖房コストは
全居室連続暖房で6~7万円くらいでしょう。
ほぼ同じコストで家中が暖かくなる理由は、先述の通りです。
こちらのグラフは、エアコンとこたつの電力量比較になります。
縦軸に一日当たりの消費電力量、横軸に暖房機器を示しています。
エアコンとホットカーペット、こたつの消費電力量の差は意外と少ないようです。
ホットカーペットもこたつも、強運転をしたら省エネではなくなります。
エアコン1台で心地よい家をつくる方法/西郷哲也著(エクスナレッジ社刊)より引用・抜粋させて
いただきました。
とかく、悪者にされる傾向が強いエアコンですが、こうして冷静に比較してみると
なかなかの優等生のようですね。
「風ばかりビュービューと出て、ちっとも暖かくない」とか
「足元はスースーするのに、頭はボーッとする」というのは
エアコンのせいというよりも、断熱性能の低い家そのもののせいだったようです。
心地よくてお金のかからない暖房は?
の解答は
断熱・気密性を高めた上で、適切にエアコンを運用するということでした。
もちろん、他にもよい方法はあると思いますが・・・。
https://www.assetfor.co.jp
posted by t.arai
東京都練馬区北町2-13-11
03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分