エルニーニョとラニーニャ?

 

いよいよ、エルニーニョとラニーニャの話です。

最近では、エルニーニョとラニーニャ現象は、頻繁に現れるようになり、

特別なものではなく普通の言葉として定着しつつあります。

エルニーニョは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で

海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。

逆に同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象をラニーニャ現象と呼んでいます。

ひとたびエルニーニョやラニーニャ現象が発生すると、

日本を含め世界中で異常な気象状況が起こると考えられています。

上図は典型的なエルニーニョ現象およびラニーニャ現象が発生している時の

太平洋における海面水温の平年偏差の分布を示しています。

平年値は’81~’10年の30年間平均/赤が平年より高く青が低く、色が濃い程平年偏差が大きい事を表します。

左図は1997春に発生し.翌98春に終息したエルニーニョ現象が最盛期であった1988.12月における海面水温

の平年偏差です。

日付変更線(経度180度)の東から南米沿岸にかけての赤道沿いで、赤あるいは青の色が濃く海面水温の

平年偏差が大きくなっています。

エルニーニョとラニーニャに伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動の話です。

上のイラストは、平常時の状態です。

太平洋の熱帯域では貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、海面付近の温かい海水が太平洋の西側に

吹き寄せられています。

西部のインドネシア付海では海面下数百mまでの表層に温かい海水が蓄積し

東部の南米沖では東風と地球の自転効果によって、深い所から冷たい海水が海面近くに湧き上がっています。

このため、海水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなっています。

海面水温の高い太平洋西部では、海面からの蒸発が盛んで、大気中に大量の水蒸気が供給され

上空で積乱雲が盛んに発生します。

続いて、エルニーニョ現象時の状態です。

エルニーニョ現象が発生している時には、東風が平常時よりも弱くなり、西部に溜まっていた暖かい海水が

東方に広がるとともに、東部ででは冷たい水の湧き上がりが弱まっています。

このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなっています。

エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時よりも東へ移ります。

続いて、ラニーニャ現象の状態です。

ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方

東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。

このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなっています。

ラニーニャ現象発生時はインドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。

いかかでしたか。話はもう少し続きます。

でも頭の中がぐるぐると回って、疲れました。

この続きは、また明日にさせていただきます。

どうかお付き合いください。

参考:家を建てる前に読む本/改正住宅省エネルギー基準/解説と手引き/奈良憲道 編

 

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  posted by t.arai 

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