省エネ住宅の効果という話

 

平成25年10月1日に施工された省エネ基準(H25基準)の

小規模住宅(延床面積300㎡未満)に対する適合義務化は2020年以降となっています。

現在建っている住宅の95%はこの基準を満たす事のできない「冬寒い家」という話、ご存知でしょうか?

また、2030年までにはZEH(ゼロエネルギーハウス)相当の家を義務化する動きも実現しそうな勢いです。

当然、各ハウスメーカーによるZEHや断熱性能の高い住宅の発売も続いています。

いい機会だと思います。

何回かに分けて継続的に、住宅における省エネについてのお話を書きたいと思います。

もし、よろしかったらお付き合いください。

住宅における省エネ化の手法は、大きく分けて3つあります。

1.建築による手法

2.設備による手法

3.住まい方

この中の建築による手法についてのお話となります。

 

まずは、暖房費の低減についてのお話からスタートします。

断熱化された住宅は、暖冷房にかかるエネルギーを大幅に削減できます。

下図にある計算例では、冬の暖房に必要なエネルギーを半減できることになります。

少ないエネルギーで快適な温熱環境を得られる高断熱住宅は、

省エネで家計の負担軽減に繋がるということになります。

低い断熱レベルの住宅とは昭和55年省エネ基準相当以下、

適切に断熱・気密された住宅とは平成11年省エネ基準相当を指します。(以下同様です)

この計算例では、逃げていく熱量が半分以下になり暖房費が低減できてます。

 

次に日射遮蔽部材による冷房費の低減についてのお話です。

開口部に日射遮蔽部材(レースカーテン・ブラインド等)を取り付けることで、夏期の日射熱取得を抑え

冷房負荷の低減を図ることができます。

上グラフは、Ⅳ地域の省エネ基準(H11基準)仕様の家における

全館連続冷房(27℃/60%)をした際の比較です。(レースカーテン無しを100としています)

日射遮蔽をガラスのみに頼ると、地域によっては冬期に熱取得が減ってしまうことになります。

付属部材を利用し、開け閉めによる調整が肝要となります。

 

続いて、室内温度環境の話です。

まずは体感温度について

私達が室内で感じている暑いとか寒いといった感覚は、室温だけでは決まりません。

壁や床の表面温度の影響も大きく受けており、これを「体感温度」といいます。

住宅を断熱化すると、冬期に壁などの表面温度が下がらない為に暖房して同じ室温にしていても

断熱化していない家よりも、体感温度は高くなります。

体感温度は、表面温度と室温の和のほぼ1/2と言われています。

同じ室温20℃でも、表面温度に差が出る為体感温度が異なります。

体感温度が低いとさらに室温を上げようとし、暖房エネルギーは増大します。

 

続いて、室内の上下温度差というお話です。

断熱性能が不充分な住宅では、上下の温度差が出来やすくなります。

冬の暖房時、頭だけが暖かく足元が冷えるという場合、

それは不充分な断熱性能により室内の上下温度差があるためで、このような場合は

いくら暖房を行っても快適にはならず、暖房エネルギーが無駄になります。

これに対し、室内の上下温度差が少ない場合は、少ないエネルギーで快適さを得る事ができます。

適切に断熱された住宅では、室内の天井付近と床付近の温度差が3℃以内であるのに対し

低い断熱レベルの住宅では、10℃以上の温度差になる場合もあります。

 

続いて、部屋間温度差というお話

断熱性能の高い住宅は、暖房していない部屋の温度も高くなる効果(自然室温の向上)があるため

部屋間温度差も小さくなります。

断熱性能が低いと、居間などの南側の部屋と日当たりが悪く暖房設備のない北側のトイレや浴室などの

部屋間で大きな温度差ができ、ヒートショックの原因にもなります。

ヒートショックとは、室温の急激な温度変化により血圧が急激に上昇・下降したり、

脈拍が早くなったりするなど体に及ぼす影響のことで、これにより心筋梗塞や脳血管障害などが発生する。

東京ガス都市生活研究所によると、年間にヒートショックが原因で亡くなる人は推定1.4万人もいて

これは交通事故の死者よりも多くなっています。

第1回目最後のお話は、結露防止となります。

断熱・気密・換気が不十分な住宅には、結露が発生することがよくあります。

暖かい水蒸気を多く含んだ空気は急に冷やされると、空気中に含めることが出来なくなった水分を

近くにある温度が低い物の表面に水滴として付着させます。

これが結露です。

特に北側の非暖房室内で、暖房室からの暖かい空気が冷やされ結露が発生する事があります。

結露が発生すると、じめじめして不快であるだけでなく、カビやダニの発生源となり

不衛生な環境を作り出すことになります。

また構造体が腐朽し劣化の原因になる場合もあるため建物寿命を縮める事にもなりかねません。

断熱・気密・換気性能の不足はヒートショックと同様に

建物だけではなく、人体の健康にも大きく影響します。

いかがでしたか?

次回は、住まい方および建築計画上のメリットについてお話したいと思います。

 

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  posted by t.arai 

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