住宅の省エネ化という話3

前回に続き、断熱に関する基礎知識について書きたいと思います。

 

今回は、断熱材の分類というお話です。

断熱材には色々な物があり、素材や形状・用途は様々です。

大きく分けると次のようになります。

透湿性について知る事も大切です。

繊維系断熱材は通しやすく、プラスチック系断熱材は水蒸気を通しにくい材料ですが

※1・2は水蒸気を通しやすいため、繊維系断熱材と同じく防湿層が必要になります。

※1は硬質ウレタンフォームのうち、

JISA9526(建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム)/A種3に該当するもの

※2はフェノールフォームのうち、

JISA9511(発泡プラスチック保温材)/A種3種2号に該当するもの

断熱材を素材によって分類すると、

「細かい繊維の間に空気を閉じ込める繊維系断熱材」

「独立した気泡の中に空気を閉じ込める発泡プラスチック系断熱材」

の2つになります。

繊維系断熱材は密度によって形状が変わり、綿のような密度のフェルト状が一般的です。

密度の高いものにはボード状のもの、吹込み用にはバラ状のものがあります。

発泡プラスチック系断熱材は、工場で成型・出荷されるボード状のものと現場発泡があります。

外壁などの断面構成において、透湿性(水蒸気の通しやすさ)はとても重要な意味を持ちます。

透湿抵抗の大小によって断面の構成が異なり、透湿抵抗の小さな断熱材には防湿層が必要です。

それぞれの断熱材の特徴は以下の通りです。

グラスウール

ガラスを細い繊維にして綿状に加工した断熱材です。フェルト状・ボード状・バラ状があります。

床・壁・天井と住宅のほとんどの部位に使用可能です。

厚さや密度が高くなるほど断熱性能に優れ、軽くて使いやすく、無機質の為発泡ガスも未使用。

吸音性・吸湿性も高いが、放湿性は低い。

ロックウール

耐熱性に優れた鉱物を高温で溶かして細い繊維状にした断熱材です。

フェルト状・ボード状・バラ状があります。

床・壁・天井と住宅のほとんどの部位に使用可能です。

撥水性・耐熱性があり、吸音性・吸湿性も高いが、放湿性は低い。

セルロースファイバー

天然木質繊維(古紙)を利用したバラ状の断熱材です。

繊維の中にある気泡に含まれる空気が断熱性・吸音性を発揮します。

木質繊維なので、素材そのものに湿気を吸収したり放出する機能があります。

インシュレーションファイバー

木材の端材や廃材および間伐材・林地残材を繊維化しマット状または板状に成型した断熱材です。

絡み合う木質繊維の間に空気を含んでおり、その気泡により吸音性・断熱性を発揮します。

木質繊維の周りの空気の湿気を吸収・放出して湿度を調整する機能があります。

床・壁・天井・屋根と住宅のほとんどの部位に使用可能です。

ビーズ法ポリスチレンフォーム

1つ1つの粒の中に独立した気泡構造を持つボード状の断熱材です。

水や湿気に強く、金型による成型のため自由な形に仕上げる事が出来ます。

押出法ポリスチレンフォーム

断熱材を建物の外側に張り付ける外張断熱工法に適したボード状の断熱材です。

水に強く、耐湿性があるため、基礎や土間床の断熱にも使用可能です。

硬質ウレタンフォーム

微細な独立気泡で成型された断熱材です。

気泡には熱伝導率が極めて小さいガス(空気の1/3)が含まれています。

ボード状に加工された製品の他に施工現場で直接吹き付けて使用する現場発泡品もあります。

ポリエチレンフォーム

細かな独立気泡で発泡された耐湿性・耐水性の高い断熱材です。

柔軟性があるため他のプラスチック系断熱材と比べると隙間なく施工することが可能です。

床・壁・屋根・屋上・配管カバーなど用途多彩です。

フェノールフォーム

独立気泡構造を持つボード状の断熱材です。

130度までの耐熱性があり、防火性にも優れています。

炎が当たっても炭化するだけで、煙や有毒ガスはほとんど出ません。

断熱材には、まだまだ色々な種類がありますが、今回はここまでといたします。

次回は、何を書こうかなぁー。

 

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  posted by t.arai 

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