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秋葉原で行われた、日本住環境株式会社主催の
健康に住むためにシックライフを考える
というセミナーに参加してきました。
セミナーのタイトルは以下の通りです。
第1部は
シックハウスではなくて、シックライフ
シックハウスというと、ホルムアルデヒドやVOCを代表とする有機化合物が原因で起こる
さまざまな健康被害の事で、悪者は家になります。
でも、それらの使用制限量を明確にし、使用量を減らす事で家から発生するホルムアルデヒドや
トルエン・キシレン・エチルベンゼン等は確実に減ってきているようです。
でもそれなのに、シックハウスによる被害自体は少しも減ってないんです。
その理由は、使用者側の認識不足が大きいようです。
F☆☆☆☆の建材を使用しているから大丈夫。とか
電気代勿体ないし、稼働させてると煩いし、スースー寒いし・・・。とか言って
換気システムを停めてしまっています。
やめてください。そんな事
先の使用制限量は、24時間365日換気システムを稼働する前提で決められています。
換気システムを停めてしまっては、健康被害を防ぐことができません。
機械換気の代わりに4種換気と言われる「自然換気」を用いる建物も同様です。
型式認定を取得出来ているもの以外では、健康被害を防ぐことが認められていません。
また、フィルターや吸気口・排気口の未清掃による換気不足で、同様の結果を招くこともあります。
入居後購入したカーテンや家具、衣服等から発生する有機化合物の量は
そもそも制限使用量に含まれていません。全く持ち込まなければ問題ないんですけど・・・。
そうした使用者側の生活スタイルを変えていくことで、健康に住むことが出来るようです。
ですから、シックライフなんですね。なるほど・・・。
ものを怖がらなさすぎたり
怖がりすぎるのはやさしいが
正確に怖がることはなかなか難しい。
シックライフに対する名言です。これまたナルホド・・・。
第2部は、要するに気密施工と換気システムの話です。
低気密住宅の問題点は以下の通り
これらの問題は、断熱性を高めても改善できません。
断熱性と気密性を合わせて高めることで、初めてこんな家になるんです。
まさに、健康で快適な家ですよね。
今回のセミナーでは、この中でもシックハウスに関わる「③計画換気が可能」についてのお話しがありました。
計画換気の概要は上図のようになります。
気密化した住宅で機械換気を行うことで、常に新鮮な空気を取り入れ希釈するようにゆっくりと満遍なく
空気の入れ替えが行えます。
気密が低い住宅では、機械換気を導入しても計画換気は期待できません。
上図を見ればわかるように、気密性能の低い家では家中の隙間から空気が入ってきてしまい
新鮮空気の経路やクオリティーが特定できないからです。
埃やダニ・カビを含んだ空気が侵入するかもしれません。
また、排気口のそばから侵入した新鮮空気はすぐに排気口か排出され、排気口から離れた場所の空気は
汚染されたままなんて事にもなりかねません。(ショートサーキットといいます)
そうした事を無くす為の「気密施工」ですが、これを行う事で色々なメリツトがあります。
躯体の健康アップ(腐朽菌・カビを防ぎ耐久性向上)とか
省エネ効果アップとか
足元がスースー寒いのに、頭がボーッとするなんて事のない快適な家になるとか・・・。
写真のような、実際に起きた問題事例を見ながらのレクチャーは
非常にわかりやすいものでした。
これらの資料は公表できないそうで、一切配布されませんでした。残念・・・。
省エネ基準の義務化で、数値上の性能は一定以上の水準になることでしょう。
でも、その水準以上の家中にも相変わらず寒い家が多数存在する事になります。
なぜなら、気密施工を置き去りにした高断熱住宅を高性能住宅と勘違いする方々と
それを黙認している方々が大勢いるからです。
気密無き高断熱住宅は、高性能住宅・健康省エネ住宅ではありません。
この事を如何に皆様にご理解いただくかが、難しい問題だと思います。
とにかく、頑張るしかないんですけど・・・。
大変有意義なセミナーでした。
講師の方々、ありがとうございました。
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posted by t.arai
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