閑話休題

 

本日もアセットフォーはお休みです。

雪掻きによる筋肉痛を、しっかりと癒したいと思います。

今回は、以前にご紹介した

 

角川文庫 刊/桐生操 著

やんごとなき 姫君たとのトイレ

という本の中から

江戸城大奥のトイレ事情

というお話をご紹介します。

 

江戸城の徳川将軍のトイレは、御用所と呼ばれた。使用軍の御用所は、四畳半の総檜づくりだった。

この四畳半が二つに仕切られ、片方は御殿女中の控え室になっていた。

もう片方の二畳敷きのほうが、便器のあるところだ。

便器は約85センチ×45センチの、引き出しつきの大きい白木の箱で、1回ご使用のつど

引き出しを抜いて中身を始末する。

将軍は踏み台からこの91センチの高さの箱の上に上がって、しゃがむ。冬の場合は、お尻の方から

お風邪をめすことのないよう、箱の一方に火鉢がさしこまれる。

夏の場合は、御殿女中がそよそよと扇子であおぐ。

こうしてご排便が終わると、御殿女中が紙をやわらかくもんで、将軍のお尻をふいてさしあげた。

将軍の奥方のトイレは、六畳と二畳の二間続きだから、将軍のより少々広い。

引き出しつきの将軍の便器と違って、奥方のそれは穴の中に落とすようになっている。

やたら大きい井戸になっていて、一万年分の便が入るというので、万年などと呼ばれていた。

ところで、いつの時代でも、女性がトイレに入る時、一番気になるのが用便中の音だ。

今でこそジャーッという水洗の音でごまかすことができるが、昔の人はいったいどうやって

ごまかしていたんだろう?

何しろ男性の尿道が16~17センチあるのに対して、女性のそれはわずか3~4センチしかない。

だから女性がおしっこをするときは、どうしても大きな音をたてて勢いよく出てしまうというわけだ。

そこで江戸時代の上流夫人が外出するときは、土瓶とコブシ大の土饅頭が必需品だった。

土瓶はおしっこをするとき、上から水を注いで音をごまかすためのもの、

土饅頭のほうはウンチをするとき、上から続けて落として音をごまかすためのものだ。

それにしても、女性には男にわからぬ、いろんな苦労があるものですな?

いかがでしたか?

何しろこの本、様々なトイレにまつわる話がまとめられたものなので、こんな話ばっかりです。

以前は、TOTO出版から出されていたのも頷けます。

たまには、こんな話もいいでしょ。

 

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  posted by t.arai 

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