住宅の省エネ化というお話 9

 

前回に続き、断熱に関する基礎知識について書きたいと思います。

 今回は、気流止めのお話からスタートします。

外壁や屋根・天井・床などを十分に断熱しても、その取り合い部から壁の内部に床下の冷気が入り込むと

断熱性能の低下を引き起こし、内部結露の原因にもなります。

壁の上下の取り合い部には気流止めの施工が必要です。

図2のように、間仕切壁は床下から小屋裏まで煙突状態になり、空気が抜けることがあります。

外壁と床との取り合い部では、図3のように気密層を連続して施工しても、気流が生じる場合が

ありますから、注意が必要となります。

外壁上下の取り合い部と間仕切壁上下の取り合い部では、状況が異なります。

外壁上下では、防湿・気密層を連続して施工しても気流が発生する場合がありますが、

間仕切壁上下では、防湿・気密層を連続して施工することで気流止めの役割を果たします。

図4・5は気流止めの一例です。床と外壁の取合い部、および間仕切壁と天井の取り合い部に

乾燥木材による気流止めを施工しています。

外壁・間仕切壁の上下には、壁内気流を防ぐための気流止めを設計段階で十分に納まり等を検討した上で

施工しなければなりません。

以下に施工不備の生じにくい納まりをご紹介します。

1.床と外壁・間仕切壁の気流止め

  床板を厚板とし、それを土台天端に留め付けることによって床下と壁内との気流を防止します。

  特に壁の断熱が外張断熱工法の場合は、この方法が適しています。

2.天井と外壁・間仕切壁の気流止め→壁の石膏ボード材を桁等まで張り上げる。

  天井断熱施工の前に、壁の石膏ボードを桁等の横架材まで張り上げることによって小屋裏と壁内との

  気流を防止します。

  また階間の天井裏内部も胴差まで石膏ボードを張り上げることによって

  防湿(気密)層の連続性が確保できます。

筋違のある壁への断熱材の充填は、筋違が障害になって隙間のない断熱材の施工に注意を要します。

また埋込型照明器具やコンセント・スイッチ類も断熱部位への施工は慎重な施工と手間を要します。

以下は断熱材等の施工の障害を取り除く工夫例です。

1.筋違を外気側に設置する。

  筋違のある外壁へ付属防湿層付断熱材を充填する際には、筋違が室内側に取り付けられていると

  防湿フィルムを一旦剥がしたり、断熱材を筋違の裏側(外気側)に潜り込ませるように充填しなければ

  なりません。筋違を出来るだけ少なくする為に壁倍率の大きい面材を用いたり、筋違位置を可能な

  範囲で間仕切壁に設置する事で、筋違部への断熱施工を少なくして適切な断熱・防露・気密施工に

  繋げます。また筋違を外気側に取り付ける事で、防湿フィルムを剥がしたり筋違の裏に回さなくても済み

  断熱・防露・気密施工が容易になります。

2.天井埋込型照明器具廻り→天井断熱ではなく桁上断熱とする。

  天井埋込型照明器具廻りは、断熱材・防湿フィルムの連続性確保が難しい天井断熱ではなく

  桁上断熱とすることによって天井と断熱層の間に空間が出来る為、照明器具の施工が断熱施工の

  障害とならなくなります。

3.コンセント・スイッチ類は出来るだけ断熱材等の施工を要する充填断熱工法の外壁に設置せず

  間仕切壁に取り付けます。また外壁断熱材を外張工法にした場合は、壁内が空洞である為

  コンセント・スイッチ類の施工に断熱層等に対する注意は不要となります。

 

次回は、開口部設計についてのお話しをご紹介させていただきます。

 

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  posted by t.arai 

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