blog
前回に続き、断熱に関する基礎知識について書きたいと思います。
今回は、省エネ化の背景というお話からスタートします。
なぜ、省エネ化が求められているのでしょうか?
増加する世界の化石化燃料によるエネルギー消費による、地球温暖化や化石エネルギー資源の枯渇が心配だから?
それでは、住宅におけるエネルギー消費について考えるべき事は何だと思いますか?
住宅におけるエネルギー消費は少しも減っていないのにも関わらず、光熱費を気にして生活に我慢や制約が生じたりしていませんか?
これから目指す住まいは、こんな感じです。
私たちは毎日、電気やガスなどの様々なエネルギーを利用して暮らしています。その生活は、昔と比べて急速に便利になり、それに伴ってエネルギー消費は増大しています。また直接使用するエネルギー以外にも、農作物を始めすべてのモノの生産過程や運搬過程など、目に見えないところでも多くのエネルギーが消費されています。
世界のエネルギーの供給量を見てみると、その多くは石油・天然ガス・石炭などの「化石燃料」を燃焼することによるエネルギーが大部分を占めています。
住宅の省エネ化を学ぶ際には、まず私たちの身の回りに起こっていることを理解し、なぜ省エネ化が必要なのかを知ることが大切です。グローバルな視点で考えてみましょう。
化石燃料の燃焼によるエネルギー消費の増大は、「地球温暖化」や「エネルギー問題」に繋がります。
化石燃料がどんどん燃焼されると、それに伴ってCO2(二酸化炭素)の排出量が増加し、大気中の「温室効果ガス」の濃度も上昇します。
「温室効果ガス」とは、太陽の熱が地表から輻射される際に大気圏外へ放熱することを抑え、地表を暖める働きがあるガスを言います。
これにより、地表の温度が一定に保たれるという効果がある一方、必要以上に濃度が上昇すると熱が大気中に閉じ込められ、地球の温暖化を招きます。
温室効果ガスの3/4程度はCO2が占めています。
CO2濃度の増加の75パーセント以上が、化石燃料の消費とセメント生産によるものです。
温室効果ガスは、CO2の他、水蒸気・メタン・フロンガスなどがあります。
CO2濃度は、年を追って上昇しています。そしてそれに伴い気温の上昇も起こっています。
近年の異常気象や海面水位の上昇などは、この地球の温暖化が原因のひとつとして考えられています。
IPPC第3次報告書では、21世紀末の地球の平均気温はさらに1.4~5.8度上昇すると予想されています。
IPPCとは、気候変動に関する政府間パネルの事です。
世界のエネルギー需要は、経済成長とともに着実に増加を続けています。
2030年には2007年に比べて、世界のエネルギー需要は1.4倍に増加すると言われ、特にアジアを中心とした人口増加と経済成長に伴い、エネルギー消費量は大幅に増加するものと考えられています。
ますます需要が高まるエネルギーに対して、そのエネルギー資源の供給可能量(可採年数)は下図の通りです。
現在の消費ペースを前提とすると
化石燃料である石炭は122年、天然ガスは60年、石油は42年と言われています。
エネルギー資源には限りがあります。今後長期的な視点に立ってエネルギー対策を考えていく必要があるでしょう。
COP21に関する記事にご興味のある方は、以下のサイトをごらんください。
http://www.s-housing.jp/archives/83518
次回は、住まいにおけるエネルギー消費についてのお話しをご紹介させていただきます。
https://www.assetfor.co.jp
posted by t.arai
東京都練馬区北町2-13-11
03-3550-1311
東武東上線 東武練馬駅下車5分