住宅の省エネ化というお話 13

前回に続き、断熱に関する基礎知識について書きたいと思います。

今回は、住まいにおけるエネルギー消費というお話からスタートします。

我が国では、1973年のオイルショックをきっかけに省エネルギーが進められました。

エネルギー消費を部門別に1973年と比較してみると、工場などの産業部門では経済規模が大きく拡大したにも関わらずエネルギー消費はほぼ横這いで推移する一方、民生部門(家庭部門と業務部門をまとめたもので、家庭や事務所・商店など)と、自動車などの運輸部門では、ほぼ倍増しています。

運輸部門は自動車・鉄道・海運・航空などを指し、民生部門の中の業務部門は事務所ビル・商業施設・サービス業などを指します。家庭部門は自家用自動車等の運輸関係を除く家庭での消費を指し、産業部門は製造業・農林水産業・鉱業・建設業などを指します。

家庭部門のエネルギー消費の動向は、下のグラフにおいてもわかります。

家庭用エネルギー消費は「消費量×世帯数」で表すことが出来ます。

「消費量」は家庭用機器のエネルギー消費効率が大幅に向上したものの、生活の利便性・快適性を求めるライフスタイルの変化による個人消費の伸びや、機器の大型化・多様化等により増大したものと見られます。

2009年度の消費量は1973年度の2.3倍、「世帯数」は1.6倍になっており、世帯当たり消費量と世帯数の増加の相乗効果により、全体として家庭部門におけるエネルギー消費量は2倍以上になっています。

さらに家庭用エネルギー消費は、用途別に冷房用、暖房用、給湯用、厨房用、動力・照明他の5用途に分類されますが、そのシェアは以下の通りになっています。

1.動力(コンセントに接続して使用する家電などの機器)・照明他

2.給湯

3.暖房

4.厨房

1973年度と比較して2009年度で、動力・照明他のシェアが増加しているのは家電機器の普及や大型化・多様化や生活様式の変化等によるものと見られます。

 

 

次回は、住宅と健康についてのお話しをご紹介させていただきます。

 

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