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本日、なんでも相談会にご来場された方から聞いたお話しです。
「窓の近くは足元がスースーして寒い。」
「壁に近づくと冷気が感じられる。」
「窓下の壁に立て掛けたカバンを見ると裏側がカビていた。」
・・・等々。
古い住宅で生活されている方から、よく聞く話です。
コールドドラフト現象といいます。
窓の断熱性能が低いと、窓の面で冷やされた空気が対流により落ちていき、冷気が床付近に潜り込んでくる現象です。
普通の単層ガラスの場合は室内の7割近くが不快ゾーンとなってしまいますが、Low-E複層ガラスの場合はわずか2~3パーセントと、事実上不快ゾーンはありません。
でも、コールドラフト現象だけが原因という訳ではありません。
こんなイラストがあります。
外気温8度/室温20度の時の各部材の表面温度の違いを表しています。
例えば、外側アルミサッシのガラス温度は上部で10.5~11度、下部だと7~8.2度になっています。
壁の温度は上部で18.3度、下部で15.4度。床面に近づくほど表面温度は低くなります。
現在建っている住宅の39パーセントは無断熱住宅、37パーセントは旧省エネ基準、19パーセントは新省エネ断熱基準となっていて、次世代省エネ基準を満たしている住宅は全体の5パーセントしかありません。
ほとんどの住宅が、程度の差はあれ前述のような経験をしていると思われます。
そうした住宅では、家の至るところに隙間や断熱欠損があり、上図のように風の通り道が出来ています。
暖かい空気は軽く、冷たい空気は重いのをご存じでしょうか?
日射によって暖められた小屋裏の空気は、隙間から外気に逃げていきます。
空気が逃げた分、小屋裏の空気は薄くなりますがすぐに壁から補充されます。
(壁の中の空気や天井裏の空気も、暖房により暖められた空気が伝わり軽い空気になります。
軽くなった空気は小屋裏に上がってきます。
床だって同じです。暖められて軽くなった空気は、上に上に向かいます。)
床下には新鮮な外気がどんどん入ってきますから、床下→床→壁→天井裏(小屋裏)→外気という順番で床下の空気は少しづつ暖められながら外気に逃げていくことになります。
床下はもちろん壁の中の温度は室温に比べて低く、下にいけばいくほど冷たいという先程のイラストのようになる訳です。
昔の住宅には、厚さ50ミリ程度の断熱材が入っていました。
上図の白い部分が空気の通り道になります。常に上昇気流が発生しており、負圧(廻りの空気よりも気圧が低い状態)になっています。
室内側の石膏ボードとの間には気密・防湿シートも設けられておらず、暖められた空気は空気の通り道に引っ張られる形で壁内部に侵入します。
断熱材は、内部にある動かない空気もしくは不活性ガスが熱の伝導を防ぎます。
空気が出入りすると、断熱材内部の空気は動き熱伝導を防ぐことが出来ません。
せっかくの断熱材も用を成さない事になります。
壁内部は外気と同じ温度になり、室温との温度差により結露が発生します。
カバンの裏にカビが生えたのは、こうした現象によると思われます。
断熱材は上図のように、壁全体に充填する事で風の通り道を無くし、なおかつ空気を通さないような施工があるべき姿です。こうする事で断熱効果が高くなり、壁の表面温度の上下差が無くなります。
でも、上図のように壁の中外の構成を間違えてしまうと、湿気の溜まりやすい壁になってしまいます。
外側に湿気を通しにくい面材(構造用合板等)を貼ったり、室内側に防湿・気密シートを設けなかったりすると、湿気の溜まりやすい壁になり結露を起こし腐朽菌・カビの発生を招く恐れが高まります。
その為にも、下図のような壁内側の気密・防湿層をしっかりと確保し、外気側を湿気を通しやすい構成にする必要があります。
適切な断熱性・気密性を備えた住宅と、そうでない住宅の表面温度を比較すると次のようになります。
上下の温度差の違いがハッキリと現れている事がわかります。
暖かいだけではありません。
結露を防ぎ、躯体の耐久性を高める事になります。
表面温度が高くなる事で、体感温度も高くなります。
体感温度の高い家は、足元がポカポカで頭がボーッとする事もありません。
長期に渡り暖房コストが少なく快適で、躯体の耐久性を損なうことのない住宅を作るためには、
高断熱・高気密住宅は絶対条件になります。
高断熱住宅だけだったり、高気密住宅だけでは実現は不可能です。
充填断熱工法や外張断熱工法、基礎断熱や床断熱。色々な方法で高断熱住宅は造られます。
でも表面温度の高い住宅を作りたければ、断熱構造を選ぶ必要があります。(選択方法はまたの機会に・・・。)
最後に高断熱・高気密住宅に必要な5つの要素を示します。
これらを上手に取り入れる事で、自然の恵みを無駄・無理なく快適な住環境を創ることが可能になります。
弊社は、高断熱・高気密住宅専門工務店。安心してお任せください。
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posted by t.arai
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