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前回に引き続き、堅苦しい話をお届けします。
今回は、断熱リフォームの効果的方法というお話です。
住宅の断熱性を向上させる事が、健康性と省エネ性を共に満たす方策であることをこれまでの説明で示してきました。
一般に建物の断熱性は、壁の中や天井裏に断熱材を入れる事で向上させます。これから計画する新築住宅では、高断熱化は難しくありません。
しかしながら、既に建っている住宅に断熱性を追加する事は簡単ではありません。従来から既存住宅の高断熱化では家全体を断熱化し、新築住宅と同様の屋内環境にする事が推奨されてきましたが、このやり方では、戸建て住宅一軒当たり数百万円のコストと数か月の工事期間、場合によってはその間の仮住まいが必要になります。
このような事が実施出来る場合は多くないのが実際です。私達は住宅を全体ではなく、部分的に断熱化する手法を推奨します。単にリビングだけ、寝室だけ、といった居室単独を断熱化するのではありません。リビングと近くの洗面所・トイレを一つのゾーンとして断熱材で囲う、寝室とトイレを一つのゾーンとする事などを想定しています。このようにする事で通常の日常生活で低温対策を行う事が出来、健康性が向上することが期待されます。
近畿大学建築学部岩前研究室の提言です。
これから新築される住宅を高断熱・高気密住宅にする事は、それほど難しい事ではありません。
実際に改正省エネルギー基準が義務化される2020年までには、新築の住宅のほとんどがある程度の高性能住宅になっているはずです。
しかし今問題となるのは、まったく性能を満たしていない我が国の既存住宅です。これらを全て建て替える事は不可能に近く、低性能既存住宅をどのようにリフォームしていくかが問題なのです。
理想的にはリノベーション(全面改装)が前提になります。でもお年寄りや資金の都合がつきにくい方々には前述の提案は非常に合理性があります。
寝室・風呂・トイレなど、ヒートショックを起こしやすい居住スペースを重点的に高断熱化する。
ダイレクトゲイン(日射による熱)を活用出来る、冬季でも比較的暖かいリビングなどの広い空間は日中利用し、夜間は断熱スペースを積極的に使用するという考え方は、非常に参考になると思われます。
次回は、断熱化の健康を下支えする役割というお話です。
引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。
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posted by t.arai
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