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毎回毎回、堅苦しい話をお届けしています。
今回は、断熱性能向上と疾病予防による便益というお話です。
上表は一般的な所得世帯の住宅を断熱改修して、高断熱住宅にした場合の「休業損失予防による便益」と「医療費の軽減による便益」を表したものです。
心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧など血管に関連する疾患の多くに便益が見られます。
「休業損失予防による便益」では、高血圧の便益が高くなっていますが、安定した暖かい室温が保たれた場合、ヒートショックなど温度差によるストレスが少なくなる為この様な便益が生まれるものと考えられます。
心疾患や脳血管疾患・糖尿病についても安定して適度な室温が保たれた場合、発病の予兆となる体調変化も少なくなり休業につながるような症状も現れにくくなっています。
更に羅漢した場合の医療費の削減効果も顕著に表れており、住宅の安定した暖かさが保たれれば、健康体を保つ事が出来、予防医学的効果も期待出来るものと考えられます。
その他、様々な室内の温度差や寒さに起因する病気についても高い予防効果と医療費の軽減が見られ、住宅の温熱環境の重要性が判ります。
一般家庭の医療費の高額化が問題になっていますが、断熱性能の高い住環境は有効な医療費削減の手段になります。
近畿大学の岩前教授は疾病の改善率からアプローチしていましたが、慶應義塾大学の伊香賀研究室は休業損失や医療費の軽減という経済的な側面からアプローチしています。
このように経済的に考えても住宅の高断熱化はNEB効果が認められます。
中所得世帯という労働人口の最も多い世帯を対象に調査されているところも、一般的な庶民感覚で住宅の高断熱化の必要性を説く結果になっていると思われます。
疾病の内容も、新生物(ガン)を除く全ての成人病が対象となっており、休業による損失や羅漢による医療費の負担増など、住宅性能の大切さが判ります。
エコ・リフォームというと、住宅の温熱環境の快適性と省エネルギー効果というEBが主流の働きかけになっていましたが、病気になりにくく医療費の削減になるというNEBから高性能住宅の必要性をアピールするようになっています。
次回は、高断熱住宅と暖房の持続性というお話です。
引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。
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posted by t.arai
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