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性懲りもなく、堅苦しい話をお届けします。
まずは、自然風の利用と制御というお話からスタート。
自立循環型住宅、ご存じでしょうか?
気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて、極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や選択に注意を払う事によって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量または二酸化炭素排出量を2000年頃の標準的な住宅と比較して半分位まで削減可能な住宅です。
何だか良くからないけれど、エコで省エネ。いいんじゃないって感じでしょ?
自立循環型住宅にとって最も重要な要素は自然風の活用です。
これは昔から活用されてきた涼風と換気を行う方法です。
自然風の活用は比較的人家の少ない地域では有効ですが、都市部の密集地では利用出来ないと考えがちですが、道路の通風経路や卓越風など活用出来る場合もあります。
窓を開放しますから、防犯や騒音および排気ガスやエアコン室外機からの風等を考慮しなければなりませんし、都市部におけるその実現は決して簡単ではありません。
でも、その為の手法を住まいづくりに活かす事は充分可能です。
という事で
「自立循環型住宅設計ガイドライン」から抜粋して、主要な自然風の利用についてご紹介したいと思います。
「設計者は、こんな事を考えながら図面を描いているのかぁー。大変だなぁー。」なんて思いながら読んで戴ければ幸いです。
まずは自然風利用技術の検討ステップです。
風圧係数とは風の持つ圧力に対する建物の表面に作用する圧力の比率を言い、建物に作用する風圧力を見積もる為に使われます。
例えば風圧係数0.5の場合は、風の圧力の半分が建物の表面を押す力として採用します。
一般的には、風上側が正圧(プラス)で風下側が負圧(マイナス)になります。
通風を確保する為には、正圧と負圧の差(風圧係数)が大きくなる位置に2つの開口部を設ける事が必要です。
図aの場合、風向に直角に面する壁が正圧となり、それ以外は全て負圧になります。この場合、必ずしも2つの開口部を対向に配置する必要はありません。むしろ、側面の方が風通しが良くなります。
図bの場合、風上側の風圧は図aの6~7割に下がります。風上・風下の風圧差が図aとあまり差が無く、通風に有効な開口部を設けやすいと言えます。
次回は、開口部の大きさと通風の質というお話です。
引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。
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posted by Hoppy Red
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