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性懲りもなく、堅苦しい話をお届けしています。
今回は通風経路と開口部面積(手法3)というお話です。
建物の高所壁に設置する頂側窓や、屋根面に設置する天窓などの高窓を利用して通風を確保する場合、風の入口は外壁開口部、出口は高窓となる事が多くなります。
風下側に高窓を設置する事で大きな風圧係数の差を得る事ができ、小さい面積の窓でも効果が上がります。
更に高所に位置する為、内外温度差によって生じる空気密度の差を活かした安定した通風量の確保も期待できます。
またこうした手法は、夜間の防犯への配慮の観点からも有効です。
手法3では高窓を風下側に配置する事を想定していますから、卓越風向が判っている場合は高窓の向きを卓越風向の風下側45度以内にするのが基本です。
手法1と同様に通風経路1及び2の経路上の開口部の面積が大きい程通風量が大きくなり、省エネ効果も高まります。
期待出来る通風量は、手法3aは手法1aと、手法3bは手法1bと同じ量になります。
手法1の開口部と比較して、高窓を利用する事で小さな面積でも同等の効果が得られます。
なお上表の開口部面積比は、天井高さ2.4メートルの部屋の風下側屋根面に高窓を設置した場合を予想した計算結果になります。
頂側窓の場合、開口部の高さを抑えても比較的長い幅を確保すれば手法3を満たす事が出来ます。
頂側窓や天窓を設置すると、室内に過大な日射を取り込んでしまい冷房エネルギー消費量が増大する事になります。
頂側窓・天窓の方位・仰角を考えるのはもとより、頂側窓・天窓の日射遮蔽を考慮・徹底する必要があります。
屋根面の風圧係数が負になる部分に頂側窓等を設ける事で通風を確保する事が出来ます。
屋根勾配が3寸以上の場合は、棟の風下側に負圧となる部分が存在しますから、この部分に窓を設ける事で、効果的な排気が可能になります。
こうした住宅を密集住宅地に配置して行ったシュミレーション(風洞実験)では、壁面と頂側窓位置の間の風圧係数差が0.15程度(手法1で期待出来る風圧係数差の2~3倍程度)となる結果が得られています。
次回は、風の正体というお話です。
引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いします。
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