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せっかくの定休日。
仕事の話題から離れて、こんな話はいかがでしょうか。
角川文庫 刊
桐生操 著
やんごとなき 姫君たちのトイレ
から抜粋したお話です。
古代ギリシャ時代、陶器は大切な道具だった。
特に壺は、いろんな彩色画が描かれ美術的にも優れた物が多い。
今に残されている、どこか洋式便器に似た前部に大きな穴の開いた壺。
これは前の穴から足を出して腰かけ、当時の人々が便器として使っていた物だ。
下には受け皿がついており、排泄物はこれで処理した。
古代ローマ時代になると、青銅製や銀製の便器も現れている。
この時代は歴史上もっともトイレが完備された時代で、各家庭には水洗便所があり、ローマ市内には立派な石造りの公衆トイレか144箇所もあり、その大半が腰かけ式トイレだったという。
現代でも立派に通用しそうな代物だ。
だが、そのローマ帝国が財政難に苦しむようになった。
有名な暴君ネロが、あまりに滅茶苦茶に財産を乱費してしまったからだ。
暴君ネロの胸像です。
紀元70年に即位した、次の皇帝ヴェスバシアヌス帝は、なんとかこの財政を立て直そうと考えた。
こちらはヴェスバシアヌス帝の胸像になります。
そこで考えたのが、公衆トイレに課税することだ。
ただ彼の変わっているのは、単にトイレを使った者から税金を取るだけでなく、トイレを使わない者からも税を取ったところだ。
生理的必要があろうとなかろうと、人々に有料トイレを強制的に使用させたのだ。
これを見かねたヴェスバシアヌス帝の息子が、ある日父親に「排泄行為に税金をかけるなんて」と抗議した。
するとヴェスバシアヌス帝はトイレで徴収した金を息子の鼻先に突き付けてこう言った。「これが臭うか?」
息子がドギマギして「い、いえ・・・」と答えると、ヴェシバシアヌス帝は「そうだろう。この金がトイレで集めた金じゃよ」
かくて今でもローマでは、街頭のあちこちにある公衆トイレをヴェシバシアーノと呼んでいる。
ただしこれは、正確には「男性用公衆トイレ」だ。
実は現在でも、女性用の公衆トイレはローマにはないのだ。
1992年に発刊された本ですから、ローマにも女性公衆トイレが出来ているかもしれませんね。アシカラズ
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posted by Hoppy Red
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