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『FPの家 S邸』
間もなく築18年目を迎える3階建ての2世帯住宅の話です。
問題が発生しました。
こちらのお宅では、某メーカーのマルチエアコンを設置しています。
マルチエアコン、ご存知でしょうか?
一般的なエアコンが、1台の室内機に対して1台の室外機が必要になるのに対し
上図のように、複数台の室内機を1台の室外機でカバー出来ると言う「夢のようなシステムエアコン」です。
狭小敷地においては、まさに「地獄に仏」ですよね。
冷媒管及びドレン管も、分岐ユニットを使用して建物内を通す「分岐隠蔽配管方式」ですから、建物外側に配管する事もなく外観がスッキリするメリットもあります。
省エネで環境にも配慮したエアコン、今後はこのタイプが主流になるでしょう。なんてメーカーの言葉に飛びつき・・・。
当時は、積極的にお客様に提案し、標準的に採用していました。
ところがこのエアコン、メーカー都合により10年程前に製造中止になってしまいました。
どうやら、コスト面(製造?メンテナンス?)がネックになったらしい・・・。
つい最近まで部品等の供給は続いていたので、メンテナンス対応は問題になっていませんでしたが
その供給もついに停まってしまい、故障対応が出来なくなったのです。
マルチエアコンは故障の際、全てのエアコンの稼働が停止します。
部品交換が出来ない以上、すべてのエアコンを交換するしかありません。
機器交換が必要になった際には、当初より配管はそのまま利用し機器の交換を行うつもりでした。
ところが、ここで別の問題が発生します。
現在発売されている他メーカーのマルチエアコンに、分岐隠蔽配管方式はありません。室内機から室外機までの配管が、それぞれ必要になります。
従って、既存配管の利用は諦め、新たに配管する必要がある事がわかったのです。
狭小地や3階建てにおいては、梯子による作業は危険が伴います。当然足場を掛けて作業を行う事になります。
機器代金+旧機撤去費用+処分費用に加え、配管工事費+足場架設費用が発生します。
かなりの費用負担増です。
しかもマルチエアコンは、一般的なエアコンに比べ機能が充実していない割に高額にもなっています。
まさにこの状況に陥ったたのが「FPの家 S邸」でした。
1階で1系統。2・3階で1系統の合計2システムのうち、1階システムが稼働していません。
選択肢は2つでした。
1.マルチエアコンを他社マルチエアコンに交換し、配管工事を新たに行う。状況に応じて足場が必要になる。
2.マルチエアコンを個別エアコンに交換し、配管・電源工事を新たに行う。状況に応じて足場が必要になる。
予算を比較しながら、いずれかを選択する事になります。
熟慮の結果2階システムは次回交換するものとし、今回行うのは1階システムの交換に留めました。
そして1のケースを選択し、今日がその工事日です。
現場に届けられた機器類
配管する現場はこんな感じです。
境界ブロックから建物外壁までの距離は40センチしかありません。
1階部分しか配管しないので、境界ブロックを足場代わりに作業を進める事にしました。
室外機を運び出すのも一苦労です。
作業は順調に進んでいます。
トラブルが無ければ、本日中には終わる予定です。(無事、終わりますように・・・。)
この続きは明日、ご報告する事にします。
設備を決定する際の将来に対する配慮不足により、お施主様にご迷惑をかけてしまいました。
実は、同じマルチエアコンを提案・施工したお宅が多数あります。
このようなケースは、残念ながら何件も発生する事になりそうです。
精一杯誠意を持って対応するしかありません。
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posted by Asset Red
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