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せっかくの休日ですから、こんな話はいかがでしょうか。
1891年、パリの有名なミュージック・ホール『ムーラン・ルージュ』の音楽監督の所に一人の男が訪ねて来た。
「俺を使ってもらえませんか、旦那」
「それで? どんな事ができるんだね?」
「へぇ、実はある生理的な特技がありまして・・・」
「生理的な特技? それは何かね」
いぶかる音楽監督に、男はニコリともせずに答えた。
「俺の肛門には吸引性があるんです。洗面器に水を持ってきてください。今すぐお見せしますから」
洗面器が来ると、男はズボンを脱いでそれに尻を浸け、あっけに取られた音楽監督の前で、洗面器の水を瞬く間に尻の穴で吸い上げてしまった。
吸い上げては出し、出しては吸い上げる。それこそ思いのままだ。
「ふーん。たいしたもんだ。だけどキミ、舞台でそれをやる積りなのかい?」
すると男は大きくかぶりを振った。
「いや、本当はオナラの演奏をやりたいんです」
「オナラの演奏?」
「俺の尻は水と同じように、空気も自由に吸ったり出したり出来るんですよ」
そして男は突然身を屈めてヘッピリ腰になると、たちまちフランス国歌を演奏(?)し始めた。
尻振り身振りの名演奏には、さしもの音楽監督も腹を抱えて大喜び。
その場で契約書にサインしてしまった。
この男こそ、ベル・エポックの世紀末パリを沸かせた、有名な『へっぴり男』ジョゼフ・ピュジョルである。
彼は10人もの子持ちのマルセイユのパン屋だったが、1892年に初めてムーラン・ルージュに出演し、空前の大成功を収めたのだ。
それこそムーラン・ルージュには、連日所狭しと客が詰めかけた。
彼らはこのへっぴり男の芸を見ながら、それこそ腹を抱え、涙を流して笑い転げた。
客中には当時のベルギー王や有名な画家ロートレックなどもいたが、中には笑いすぎてひきつけを起こして、タンカで運び出される女客もいたという。
時にピュジョルは、それこそ何種類ものオナラを真似てみせた。
若い娘のオナラ、人妻、義母、お針子、尻軽女等々・・・。
そして締めくくりに、30センチも後ろに置いたロウソクをオナラで吹き消してみせたという。
当時の名医が診察した結果、ピュジョルは極めて特殊な腸を持っている事が判明した。
彼は13歳の時、風呂に入っていてそれに気付いたのだという。
1914年、ピュジョルはへっぴり男を引退してパン屋に戻り、それから間もなく心安らかに死出の旅についたという。
世紀末パリ、ベル・エポックを沸かせた名アトラクターとしての名を遺して・・・。
いかがでしたか?
たわいも話でしたね・・・。
やんごとなき姫君たちのトイレ/桐生操 著/角川文庫 刊より抜粋・引用しています。
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posted by Hoppy Red
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