木材の敵2

第二回目も『木材』についてのお話です。

樹木は樹皮のすぐ下に形成層と呼ばれる部分があり、そこで水分や養分の移動を行っています。

そして木が大きくなると、内側の部分に木の強さを保つため赤い部分(心材、赤身)が出来ます。

心材は水を通しにくく、また腐りにくくなって樹木の強さを保ちます。

心材になる前の外側の白っぽい部分は辺材(白太)と呼ばれ、水を通しやすくなっています。

辺材は心材よりも非常に腐りやすいのが特徴です。

 

樹木を水平に切断した面(木口面)を見ると、年輪が明瞭となっています。

この面は水分を上下に送るパイプ(仮道管・道管)を切断した事になるので、水が通りやすく、微生物や薬剤の通りも良くなります。

従って木口面は他の面に比べて、腐りやすく、薬剤が浸透しやすい事になります。

樹木の中心を通るように縦に切断すると、年輪がほぼ平行になり、この面を柾目面といいます。

樹木の中心を避けて縦に切断すると、山形の模様が現れますが、この面を板目面といいます。

 

水の通りやすさ(腐朽のしやすさ)は木口面>柾目面>板目面となります。

木材は炭素の固定で出来た有機物です。

その主要な成分は細胞壁を構成するセルロース、ヘミセルロース及びリグニン。心材など樹木の腐りにくさを担う成分(耐朽性成分:油脂・樹脂・精油等)などです。

樹木の上下方向の骨格に当たるものはセルロースで、その周りを補強しているのがヘミセルロースです。

それらを繋ぎ合わせ接着剤の役割をしているのがリグニンです。

木材を腐らせる微生物(腐朽菌)は、主にセルロース及びヘミセルロースを食べる菌(褐色腐朽菌)と主にヘミセルロース及びリグニンを食べる菌(白色腐朽菌)に大別されます。

 

左:褐色腐朽菌/右:白色腐朽菌

今回はここまでとします。

次回も引き続き『木材』についてのお話をさせていただきます。

  

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