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『木材・腐朽・シロアリ・キクイムシ・腐食並びに防腐・防蟻処理及び耐久性に関する基礎知識』のご紹介、まだまだ続きます。
第5回目も『腐朽』についてのお話です。
木材が腐るには、温度・水・酸素の3条件が必要です。
このうちのひとつでも条件が満たされなければ腐る事はありません。
酸素についていうと、木の保存法として水中貯木があるように、完全に空気を遮断出来れば腐朽する事はありませんが、通常の使用状態ではそのような事はあり得ません。従って、この条件は通常満たされていると考えます。
水中貯木って、木場などで見かける『アレ』ですね。
温度についてはどうでしょうか。
多くの腐朽菌について25~30度が適温とされています。自然状態ではカビ等他の微生物との競争があるため、腐朽菌が木材に取付くまでには時間がかかります。従って、関東地方のような温暖な地域では地中に埋め込まれるような過酷な条件でも、多くの樹種は1年程度で腐る事はありません。
木材の腐りやすさは暖かい日がどれだけ続くかによるので、沖縄など寒い季節が少ない地方では腐る速度が大きくなります。
これが噂の『ナミタダケ』です。涙のように垂れることから名付けられたとか・・・。
しかし、低温菌であるナミダダケ菌の場合は他の菌がそけほど生育しない20度が最適である上、それ以下の温度でも他の菌より成長力があるため、北海道のような寒冷地域で、住宅の床下が培養室のような状態になり、温暖な地域よりも大きな被害を与える事になります。
日本の場合、20度以上の気温が存在しない地域は限られているので、腐朽速度の差はあるものの、木が普及しない地域は無いといっても良いでしょう。
木材の腐朽の原因としては、水が最大の要因と考えられます。
含水率と腐朽の関係で見ると、木材が液体の形で水を含む状態が必要で含水率でいうと50~100パーセント程度が最適と考えられます。
しかしこの条件は、木材の近くに他の既に腐朽した材がある場合に変わります。
腐朽菌が木材を分解することによって水を生産する事や、場合によってはナミダダケ菌のように他の場所から水を運ぶ事があるためで、この場合は20パーセント以上の含水率があれば腐朽すると考えられます。
腐朽材の特徴は以下の通りです。
褐色腐朽菌材は、褐色で縦横に割れが入っています。
白色腐朽材は、白い繊維が束になったようになります。
その他、カビなどの軟腐朽菌による削り落とされたような軟腐朽材もあります。
軟腐朽菌材の画像です。わかりにくい・・・。
今回はここまでとします。
次回も『腐朽』についてのお話をさせていただきます。
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