木材の敵6

『木材・腐朽・シロアリ・キクイムシ・腐食並びに防腐・防蟻処理及び耐久性に関する基礎知識』のご紹介、まだまだ続きます。

第6回目も『腐朽』についてのお話です。

木材の微生物に対する抵抗性、すなわち耐朽性はその材の組織構造・比重・硬さなどの物理的性質及びその材に含まれる化学成分によって左右されます。

特に耐朽性成分は、フェノール類・トロポノイド・キノイド・スチルベン類・蝋化合物・テルペン類などの抽出成分と呼ばれる物質で、これらの成分は辺材と比較して心材に多く含まれるため、一般に心材の耐朽性が大きくなります。

木材の耐朽性を調査する方法は、杭を野外に設置して自然条件に暴露する方法または、室内に特定の菌を用いて強制腐朽させて調査する方法があります。

後者の場合、培養基に寒天または土壌を用いる方法がヨーロッパやアメリカで行われています。

日本のJIS試験法(JIS Z 2101/木材の試験方法)および(社)日本木材保存協会規格の方法(JWPA3号/木質材料の耐朽性試験方法)は、それぞれ砂を培養基に用います。

供試菌としては、日本では白色腐朽菌としてカワラタケ、褐色腐朽菌としてオオウズラタケが用いられています。

南洋材の白色腐朽についてはヒロイタケ、北海道など寒冷地の褐色腐朽についてはナミダタケを供試菌に加える事があります。

室内試験法における質量減少率(重量減少率)と、野外試験における耐用年数との間には相関があり、耐朽性が中程度以下のものは、質量現象からおおよその耐用年数を推進することができます。

耐朽性極大または大程度のものついては、野外試験をしないと区別が出来ません。

主な樹種の耐朽性を以下の表に示します。

ここでの野外耐用性は土に接する部分で、土に接しなければこの値の2倍程度の耐用性があると考えられます。

地域別の耐用性の参考として、以下に(財)日本住宅・木材技術センターが調査した木材危険度腐朽マップを示します。

おおまかに見て、北海道などの寒冷地域では東京の5割程度耐用性が増加し、奄美群島・沖縄・南西諸島・小笠原諸島などでは、反対に5割程度耐用性が減少すると考えられています。

今回はここまでとします。

次回も『腐朽』についてのお話をさせていただきます。

  

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