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『FPの家 Y邸』
先日の地盤調査の結果、地盤補強の必要は不要という結果が出ましたので
明日から始まる基礎工事に先立ち、遣り方をしてきました。
上図は、敷地と建物の配置およびSWS試験を行ったポイントを示したものです。
建物の線は建物中心線になっています。
まずは、建物中心線から600ミリ程度離れた位置に水貫を配ります。
水貫に合わせて、水杭を掛矢で打込みます。
建物の中心に三脚を立て、回転式レーザーレベルを据え付けます。
この機械、頭に付いた窓から360度レーザー光線が水平に照射されています。
その光を受ける機械がコレ。受光部です。
右の写真をよく見ると、下向きの矢印が出ています。
もう少し下げろという指示です。
左の写真では、水平線が出ています。
この印が出たら、レーザー光線と同じ高さという事です。ピーッという音でも知らせてくれます。
この受光部をタルキに取り付けて、まずはベンチマーク(BM)のレベルを確認します。
今回は前面道路のマンホール蓋がBMです。
BM+110ミリが設計地盤面(設計GL)となっています。
水貫の高さは設計GL+600ですから、BM位置から下に110+600下げて受光部を固定します。
これで準備完了です。
敷地に立てた水杭に受光部を当て、ピーッとなる位置に印を付けて回ります。
水杭の印に合わせて水貫を取り付ければ、全ての水貫が水平になる訳です。
今回の敷地は狭く、2つの道路の隅部に隅切りがあります。
この部分は敷地から道路に水貫を跳ね出すように取付ました。
隣地境界線及び道路境界線を確認後、水貫に基本となる建物の中心線を仮に書きます。
次にカネピタという工具を用いて、X方向及びY方向それぞれの線が直角になるようにします。
カネピタってこんな工具です。
ストッパーを押しながらフックを引っ張ると、先端から2枚のスチールテープが2枚、同じ長さづつ出てきます。
それぞれのフックを平行する水貫に打った釘に引っ掛け、直行する水貫に先端の中心目盛の位置を記します。
この作業を2回行い、それぞれの水貫に合計4か所マーキングします。
これでX方向の線とY方向の線は直角に交わる事になりました。
上図の仮墨1と2の位置から追って寸法を測れば、建物の直角が狂う心配はありません。
実際の作業はこんな感じです。
昔は上図のような三角定規を用いて、建物の直角を出していました。施工者による精度の違いが相当あったと思いますよ・・・。
カネピタの精度を確認する為に、建物の四隅に水糸を張り、その対角長さを計測します。
水糸の交点が建物中心線の交点になります。
この交点から対角の交点までの距離を計測します。
それぞれの対角長さに差異がないかどうかの確認となります。
もし差異があれば、直角になっていない事になります。カネピタ作業をやり直します。
今回は、問題なし。無事次の作業に進みました。
水貫に基礎の通り芯を書き込んでいきます。
真ん中が通り芯、両端か基礎幅となります。
隅切り部に差し渡した斜めの水貫に、道路に出っ張った水貫部分の墨を転記して、邪魔な部分を撤去します。
作業終了です。
なぜか、2本だけ長い水杭がありました。
基礎屋さんが、手鋸を持って切ろうとしています。
「せっかくだから、イカス切りしてみれば・・・。」
『イカス切り?』
スイカ切りではありません。
上図のように切り方を言います。
水杭の先端をイカス切りにする事で、誰かが杭の頭を打てば凹んでしまいすぐにわかります。
基礎天端の水平を見るための大切な水貫です。気をつけてくださいという目印にもなります。
でも、最近はめったに見る事がなくなりました。
実際はこんな感じに仕上がります。
ところで『イスカ』って何?
交嘴鳥と書きます。上下の嘴が交差した、燕雀目アトリ科の鳥です。
この嘴に似ている事からそう呼ばれるようですね。
どうでも良い話でした・・・。
無事、遣り方が終了です。
明日から、鋤取り・砕石地業・防湿シート敷き・捨てコンクリート打設と作業が続きます。
工事車両用の駐車場も近所に確保出来ました。
あとは天気が続くのを願うばかりです。
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posted by Asset Red
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