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換気についての基本的なお話しをご紹介しています。
第4回目は『全般換気の必要換気量』というお話しです。
全般換気の必要換気量は、ホルムアルデヒドの放散が全くない場合でも、建築基準法や品質確保に関する法律で換気回数を1時間当たり0.5回以上とする事を設計条件として、全般換気の為の換気計画を行うように規定されています。
これはホルムアルデヒド以外の化学物質やその他の空気汚染を考慮している為で、換気設備の設置は必須条件となります。
換気回数とは、換気量(立法メートル/時間)を室容積(立法メートル)で除した値です。
例えば床面積120m2の住宅で天井高さを2.4mと仮定します。換気回数0.5回/hを換気量で表示すれば、
120m2×2.4m=288立方メートル
288立法メートル×0.5=144立法メートル/hに相当します。
日本ではある一定規模以上の主として事務所ビルを対象として、『建築物の衛生的環境確保に関する法律』が定められています。
この中で二酸化炭素・一酸化炭素・浮遊粉塵に関する許容濃度を守る事が求められていますが、このうち二酸化炭素の許容濃度1000ppmは、従来から尊重されていた総合的な空気質評価基準値です。
人体から発生する二酸化炭素量は成人か子供か、そしてその活動量によっても変わります。
一般的には13~20L/hであり、それを外気によって希釈し許容濃度以下に維持する為には居住者1人当たり20~30立方メートル/h程度の換気量が必要です。
建材や家具・塗料等から発する、揮発性有機化合物(VOC)によるシックハウス症候群が問題になってから、居住者数だけではなく建物面積に応じた換気量を求められるようになりました。
居住者1人当たりの建物面積が大きくなれば、換気回数分の換気量を常時確保する為に必要なエネルギー量が増え、居住者によっては冬期間に過乾燥気味になる等の不快を感じる場合もあります。
暖冷房を必要としない中間季には、窓を開放する等の大量換気が推奨されているので、ここで言っている『必要換気』とは換気設備のキャパシティーと理解すると良いでしょう。
もちろん新築時には換気設備を最大運転し、化学物質対策を充分に行う必要があります。
筑後1年以上経過した時点で、最も寒い冬季には過換気による影響が大きい場合には、必要に応じた居住者による換気量のコントロールも大切です。
今回はここまでとします。
次回のお話しは『全般換気方式の種類』となります。
幻冬舎ルネッサンス 刊/北村忠男 著/高気密木造住宅をもっと知ろうから抜粋させていただいています。
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