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換気についての基本的なお話しをご紹介しています。
第6回目は『全般換気方式の特徴』というお話しです。
1.強制給排気方式(第1種換気)
第1種換気方式は、給気と排気ともに機械動力によって行う方式です。
区切られたプライバシーの高い各居室で、換気の過不足を生じる事が少ない方式と言えます。
熱交換型の場合は排気の熱を回収して、給気に与える事が出来ます。寒冷地の高気密住宅で全館24時間連続暖房を行う場合は、暖房エネルギーの消費削減にある程度の効果が期待出来るでしょう。
しかし、熱交換型換気装置が必ずしも省エネであるとは限りません。なぜなら熱交換換気装置の霜取りの為にヒーターを併用する場合は運転に消費する電力が膨大になるからです。
屋内に非暖房室や単独換気扇を設置して部分間欠暖房を行う場合も、排気熱温度が低く熱交換効果が少なくなります。
熱交換型換気装置は、強制排気方式と比べると約2倍の消費電力が必要となります。その為暖房負荷の小さい寒冷地以外の地域やエネルギー消費効率が高い暖房機器を採用する場合には、あまりメリットがありません。
一方夏季に全館冷房をする場合、冬と逆の熱交換が出来るように思われますが室内外の温度差は一般的に数度程度しかありません。このような僅かの温度差では熱交換器はほとんど効果を発揮してくれません。
熱交換には熱と湿気を回収する全熱型と、熱だけを回収する顕熱型があります。
全熱型の熱交換器の場合は冬期間の過乾燥を緩和出来るとも言われていますが、浴室等の高湿空気を排気する事で室内に結露が生じたり、ドレーンを備えていない機種では水滴が落ちたりします。またトイレ等の臭気や汚染物質を含む排気は、湿気と一緒に臭気等も回収されて室内に戻る危険があります。
衛生上の問題でスゥエーデンを始めとするヨーロッパ諸国では、昔から住宅用に全熱型の熱交換器は使用されていません。
全熱型を使用する場合は、浴室・トイレの換気を別系統にする必要があります。
顕熱型の熱交換器でドレーンを設けている場合には、浴室・トイレから排気する事が可能です。
今回はここまでとします。
次回のお話しは引き続き『全般換気方式の特徴』となります。
幻冬舎ルネッサンス 刊/北村忠男 著/高気密木造住宅をもっと知ろうから抜粋させていただいています。
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