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換気についての基本的なお話しをご紹介しています。
第10回目も『全般換気方式の特徴』というお話しです。
5.台所の換気
台所用の換気扇は炊事用ガスコンロからの燃焼ガスと共に、炊事に伴う湿気・油・煙・臭気を排出する為のものて゜す。
高気密住宅で一般的に500立法メートル/時間程度の強力な排気能力を持つレンジフードを運転すると、空気の流入する隙間が少ない為に室内が負圧になります。
給気不足から捕集効率の低下を招くだけではなく、煙突付き燃焼機器の不完全燃焼や燃焼ガスの室内への逆流が始まり、一酸化炭素中毒を起こす危険が大変高まります。
従って高気密住宅では、瞬間湯沸かし器はもちろん特に自然通気式の煙突付きストーブや風呂釜を室内に設置する事は危険なので注意する必要があります。
給気不足はあらゆる隙間から隙間風や騒音・開口部の耳障りな笛鳴り・ドアの開閉困難といった問題も生じさせます。
これらは室内外の圧力差を大きくなる事が原因の為、解決には外皮の気密性能に応じた給気対策が必要となります。
給気を確保する方法は以下の通りです。
1.台所用の一時的な大風量排気に対応出来る自然給気口を設置します。
せっかく設置しても、寒さを感じるとこれを閉じてしまいますから、台所換気扇の近くに設置する等冷気を感じさせない工夫が必要となります。
2.給排気型レンジフードを利用し、排気と給気を同時に行います。
室内の高温空気と屋外の低温空気を熱交換して、冷たくない外気を給気する方法もあります。
しかし一般的なものと比較すると価格が2倍程度になります。また、弱運転時でも騒音が大きいのも短所と言えます。
自然給気口からの冷気を感じないようにする為に、ガスコンロの近くに設置すると給気が炎や上昇気流を乱す事もあります。
そこで油煙がレンジフードの外側に拡散しないように、外気をレンジフードに沿って下向きに誘導してくれる給気誘導型のレンジフードも商品化されています。
必要換気量を減らす為の工夫として、電気調理器を使用する方法もあります。
電気調理器を使うと、炎と燃焼ガスが出ないので換気量を減らす事が出来ます。
レンジフードの位置を少し下げて、捕集率を上げる事も可能です。
コンロ上60センチにする事で、80センチの時の2/3程度の排気量にする事が出来ます。
高気密住宅用のレンジフードの中には、フード形状の工夫で吸い込みを速くして、従来の約半分の風量で済むものもあります。こうしたものを選択するのも良いでしょう。
レンジフードで注意しなければならないのは、排気量の調節機能と外気の侵入防止です。
料理中は汚染物質の発生がある為、500立法メートル/時以上の大風量換気が必要になりますが、それ以外は停止するのが一般的です。
でも台所にある食品や生ごみからの臭気が長時間に渡って発生し続ける場合には、連続運転も必要になります。
こうした場合を想定し、弱運転が出来るものを選択してください。
また、レンジフードからの外気侵入防止には風圧式シャッターが一般的ですが、風が強い日にはバタバタと煩いし、冷気の侵入もあるので問題となります。
外部風圧の影響が大きい地域では、外気侵入防止に風圧式シャッターでは不十分なので、電気式ダンパー(煙逆流防止ダンパー)との連動が必要でしょう。
今回はここまでとします。
次回のお話しは引き続き『全般換気方式の特徴』となります。
幻冬舎ルネッサンス 刊/北村忠男 著/高気密木造住宅をもっと知ろうから抜粋させていただいています。
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posted by Assed Red
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