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換気についての基本的なお話しをご紹介しています。
第11回目も『全般換気方式の特徴』というお話です。
6.トイレや浴室の換気
トイレや浴室の必要換気量は台所よりも少ないので、局所換気用の排気ファンを回しても給気不足になる事はそれほど多くありません。
でもトイレの排気ファンを回す事で浴室から湿った空気を吸気し、脱衣室やトイレが結露する例がありますので、換気経路に注意する必要があります。
個別排気の水洗トイレ用換気ファンは、空気を希釈する全体換気が一般的で天井や壁に設置されています。
気密性の高いトイレでは、便器に有効な排気ファンを内蔵した局部排気方式もあります。
汲み取り式トイレの場合には、便槽の臭気を排出する為に臭突の先端又は中間に接続した小型脱臭用換気扇を屋外で連続運転する事になります。より耐久性の高いものを選択すると良いでしょう。
高気密な便槽を使い、便器から臭突への換気経路を確保し、お尻に気流を感じるようであれば臭気はほとんど感じなくなるでしょう。ただし極寒地や豪雪地帯では、ファン部の結露や雪でモーターが回らなくなり故障する事もあるので、春先の定期点検を忘れないでください。
浴室での水蒸気の発生は大量です。
これを居室に拡散させずに短時間で排出する事は大切ですが、局所換気の強運転をする事で冬期間は不快な寒さを感じる事になります。
冬は全館暖房をすると、家中が巨大な除湿器の働きをします。
浴室の扉を使用後に開放する事で、居室の加湿にもなり乾燥感の軽減になるかもしれません。
暖房・浴室乾燥機能付換気扇も、狭い住宅では有効でしょう。
トイレと浴室の排気を住宅全体の換気に利用する事も可能です。
この場合は、排気位置に居室の空気が集まるように設計上の配慮が必要になります。
例えばトイレ・洗面所・浴室の気密性が低いと、近くの外壁回りの隙間から給気されてしまい住宅全体の換気が出来ません。
また居室から遮断された玄関ホールに面したトイレの場合も、気密性が低い玄関から給気されやすく住宅全体の換気が出来ません。
このような場合は、トイレ・浴室等へ3~4か所程度のダクト配管を用いて居室の排気を集め、ダクトファンにより連続排気する方法もあります。
今回はここまでとします。
次回のお話しは『計画換気と換気経路』となります。
幻冬舎ルネッサンス 刊/北村忠男 著/高気密木造住宅をもっと知ろうから抜粋させていただいています。
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posted by Assed Red
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