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換気についての基本的なお話しをご紹介しています。
第16回目は『換気設備と清掃』というお話です。
換気設備で忘れてはならない重要な事があります。
室内空気を屋外に計画通りの量を排出する能力を保つ為には、換気設備の清掃を行う必要があるという事です。
どんなに高性能なDCモーター採用の省エネタイプ換気ファンを運転しても、ファンに埃が付着していれば風量が著しく低下して消費電力が増大します。
こうした非効率で非省エネな状態が続くと、同時に換気風量が減少し居住者の健康への悪影響を及ぼす事になります。
写真は熱交換タイプの第1種換気システムのフィルターに付着した埃です。このような状態を招く原因の多くは清掃が容易でない機種の選択及び清掃しにくい場所への換気本体の設置となっています。また、定期的な清掃の必要性を理解・認識していない場合もあります。
殆どの換気設備は清掃の際に工具が必要となります。取付場所によっては脚立が必要になる場合もあるでしょう。
換気ファンの汚れを取り除くための作業が極力簡単な機種の選択及び設置位置をお勧めします。
一例として写真に、弊社が標準採用している『ルフロ400』の清掃方法を挙げます。
又忘れてならないのが外気取入口の清掃です。
外気取入口は防虫網が設置されている事も多く、これも定期的に清掃しないと換気風量が低下します。
防虫網を設置する場合は、外から清掃が出来る位置に外気取入口を設置する事を忘れないでください。
外気取入口に防虫網を設置せず、換気装置の側にフィルターを設ける機種もあります。
この場合もフィルターの清掃をまめに行う必要があります。
壁付け式換気装置の送風ファンは、一般的にダクト式の換気システムに比べて許容できる送風能力が小さく、外部フード等で付属の防虫網や防火ダンパー等に起因する圧損や、外部風圧の影響を受けやすいのが特徴です。
埃の付着で風量低下が起こるので、とくにこまめな清掃が求められます。
壁付け換気装置のファン形状には、主にプロペラ型とターボー型に分けられます。
一般的にターボファンは許容できる機外圧力が高く、フィルターの目詰まりによる風量減少問題が比較的少ないと言えます。
換気メーカーのカタログにはファン形状が表示されているので、選択の参考にすると良いでしょう。
壁付け式換気装置には小さい機外圧力で運転するように設計された機種が多い為、圧損の小さい外部フードを選ぶ事も重要になります。
今回はここまでとします。
次回のお話は『換気風量測定』となります。
幻冬舎ルネッサンス 刊/北村忠男 著/高気密木造住宅をもっと知ろうから抜粋させていただいています。
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