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今も建築中のバルセロナ(スペイン)の大聖堂『サグラダ・ファミリア』で知られる建築家、アントニ・ガウディ。
世界的建築家だが、実は彼の仕事の大多数は故郷のバルセロナでのものだ。
ガウディ特有の曲線も、あの装飾もすべてバルセロナという土地の中で見出したものだ。
「常に開かれていて、努めて読むのに適切な偉大な書物は、自然のそれである」(ガウディの言葉/彰国社)
『自然』に学ぶ。
実はこのスタンスは、日本の大工が長らく守ってきた態度だ。
現在でも外から訪ねた人が、「いい街並みですね。」と感想をもらすところは、代々その土地の大工さんが景観を考え長い年月をかけてつくってきたものだ。
その土地に根差している大工さんは、下手な家をつくれば次から仕事が来ない。
街並みに合わない家をつくるなどもってのほかだ。
街並みを守ってきたのは、行政でも市民でもない。
ましてや景観条例でもない。
実は棟梁の良識なのである。
ある工務店が年間10棟建てるとしよう。
3代工務店を続け100年経てば、その土地に1000棟の家が建つ事になる。
自然と景観に配慮した家が1000棟。
確実にその地域の街並みは変わる。
そしてその家のメンテナンスを含め、大工(工務店)が家=町を守っていく。これが『家守』だ。
ガウディもいわば『家守』だ。バルセロナという町だからこそ、曲線を多用していると述懐している位で、あのガウディの不思議な造形物は、実は自然との調和を第一に考えられたものだったのだ。
ガウディは山の稜線をもデザインに取り入れた。
街並みをその土地に合ったものにするという大工の仕事は、いわばガウディと同じ意識で行っていたのだ。
もしあなたの家を、その土地を知らない人間が建てたとしよう。
きっとその土地から浮かび上がった奇妙な家になってしまうか、その土地に建てている理由の全く感じられない家になってしまうだろう。
これはデザインだけの事ではない。
住環境もまた、その土地に暮らしている人でなければ判らない。
湿度の高さ・夏冬の体感・風の吹き方・・・。
こうした『自然』を大工(工務店)は学び、家づくりに活かして来た。
だからこそ京都なら京都、静岡なら静岡に合った家を建てる事が出来るのだ。
これが家づくりの鉄則。そして地元の工務店に期待できる事がもうひとつある。
それが『メンテナンスのしやすさだ。
質の良い工務店は自分たちが建てた家の『履歴書』をきちんと持っている。
家の構造・素材・・・。すべて判っているから修理・改築がしやすい。
定期的な点検も近いと便利だ。
大量生産型の大手ハウスメーカーだと中々こうはいかない。
窓口の営業担当者は、売ったら終わりだ。
作る担当とアフター担当とに分かれてしまう。
つまり設計時のコンセプトやディティールはマニュアルで管理され、商品が変わればそれを知る人もいなくなるという事だ。
東京や大阪にある本社に伺いを立てながらアフターサービスが継続される事になる・・・。
弊社は東武練馬駅の近くにある地域密着工務店です。
創業27年目を迎えようとしています。
板橋・練馬を中心に車で15分圏内のお仕事を請け負ってきました。
その姿勢はこれからも続くことでしょう。
こうした取組を応援してくれる方のお話をご紹介しました。
小学館 刊/田鎖郁男 著/そうか、こうやって木の家を建てるのか より抜粋・加筆・修正させていただきました。
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posted by Asset Red
住所:東京都練馬区北町2-13-11 電話:03-3550-1311
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