雨です・・・。

『FPの家 Y邸』

生憎の雨、思わず空を睨んでしまいました。

昨日建てたばかりなのに、二日目で雨に濡れてしまうとは・・・。

せめて、屋根下地を作り下葺き材を葺いた後ならいいのに・・・。

『木材が濡れるのは、良くないんじゃないの

ほぼ100パーセントの方が、心配になると思われます。

現場はお休みで、報告する事も取り立ててありません。

木材と水に関するお話をご紹介したいと思います。

住宅用材として最適な木材ですが、中には反ったり、捩じれたり、割れたりするものもあります。

これは木材中に含まれている水分が原因、水分を吸収すると膨張し、乾燥すると収縮する性質が木材にはあるんです。

伐採したばかりの木にはたくさんの水分が浸透しています。

その水分は時間をかけて蒸発していきますが、木の繊維方向によって収縮の割合が異なります。

これが木材の変形の原因なんです。

伐採したばかりの木(生材)が乾いていくと、木の中の水分かどうなるのか。

これを示したのが、次のイラストです。

木の縦断面を顕微鏡で覗いたと思ってください。しかも木の細胞は細長いので、わかりやすいように縦は横の1/10位に押し潰してあります。

木の1つ1つの細胞は、細胞膜で包まれた細長い袋のようなもので、お互いの細胞膜はしっかりとつながりあっています。

図で網の目のようになっているのが細胞膜の部分で、さつまいものような形はそれぞれの細胞の空の部分です。

aを見ると細胞膜の部分は完全に湿りっぱなしで、なお余った水分も細胞の袋の中に溜まっています。

濡れたスポンジをバケツに貯めた状態です。

木が乾いて膜自体の水分が抜け始めると、このバケツの中の水分が補ってくれるので、結果的には膜そのものの水分は全く変わりません。バケツの中の水分だけが次第に減っていき、図aの生材はbの状態に近づいていきます。

aからbの間は、木の目方が減るだけで木の性質は何の変りもありません。

この時に増減する水分を『自由水』と言います。

bの状態の木材がさらに乾いていくと、今度は細胞膜に含まれている水分が抜けてcの状態に近づきます。

この時増減する水分は自由水と違い、細胞を形づくっている木の分子としっかり結合しているので『結合水』と言います。

結合水が抜けていくと木の性質は変わります。木が収縮したり、強度が大きくなるんです。

この状態は自由水がだんだんと減っていって、ついにゼロになり、結合水はまだたっぷりある状態です。

繊維飽和点とも呼ばれています。含水率で言うと30パーセント程度と言われています。

cの状態は洗濯物であれば、程よく乾いて人間が着用する時の状態と言えます。

木で言えば、我々が毎日身の廻りでお目にかかれる木材は、ほぼこの状態と思って良いでしょう。

この状態を空気の湿度と釣合いが取れている状態『気乾状態』と言います。またこの時の含水率を『気乾含水率』と言います。

気乾状態の木材に加熱して、より水分を無くしていくと木材中の水分が全く無くなってしまいます。これがdの状態で『全乾状態』と言います。

この状態は普通ではお目にかかれません。特別な状態であり、もし全乾木材を作ったとしても空気中の湿気を吸収して気乾状態に戻ってしまいます。

一方濡れた木材も長時間放置しておけば、やはり気乾状態に戻っていきます。

つまり、木材の一番安定した水分状態はcの気乾状態という事になります。

気乾状態は周りの空気の湿度や温度によって差があります。含水率で言えば屋外で15パーセント位、屋内では12パーセント位が普通です。暖房が良く聞いている部屋ではもっと下がる事もあります。

製材したばかりの木材はaの生材です。風通しの良い日陰でじっくりと乾かす事を『枯らし』と言いますが、こうする事でbの状態からcの気乾状態に近くなります。

ビショビショの生材状態で建てた建物は、乾燥収縮によるトラブルが発生します。

構造材であればその含水率は20パーセント以下、造作材であれば18パーセント以下、床板や壁板等であれば10~15パーセントが望ましいところでしょう。

弊社が採用している構造材は『構造用集成材』です。

その含水率は15パーセント以下と定められています。

これは、先述の屋外における気乾状態と同じ値になります。

つまり、雨に濡れその水分を吸収したとしても、いずれは元の15パーセントに戻るという事です。

ご安心いただけたでしょうか?

まだ心配と言う方は、「木材が濡れたら・・・」というブログをご覧ください。

参考になると思いますよ。

http://www.ads-network.co.jp/zairyo-kouji/15.htm

早く、雨上がりませんかね。

  

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  posted by Hoppy Red

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