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今日からGW休暇が始まります。
と言っても、3日間だけなんですけどね。
あるだけマシなのかも・・・。
めったな事では弱音を吐かない。
確固とした信念があり、自説を曲げない。
そんな人の事を『筋金入り』と評する事があります。
この言い回しは、細長い金属を嵌め込む事でモノの構造を強固にする事が転じて、身体や思想が鍛え上げられた強固で屈強な人や性質を表す比喩表現として使われるようになったものです。
そして、この『筋金入り』という言葉は、建築や住まいに関わりの深い言葉でもあります。
筋金(筋鉄とも書きます)とは、細い金属の事。辞書をひくと次のようにあります。
モノを堅固に補強するための筋状の金属。1枚張りの兜の鉢や長柄の棒、板戸などに用いる。時に実用面だけでなく、装飾として使われる。
冒頭に述べたように比喩的に身体や精神を支えて強固にするもの。
歌舞伎で荒々しく武者を演じる役者が身に付ける保護用小道具の事。布地に金銀色の筋金を付けた脛当て。
また、石膏の型を取る時などに型を丈夫にするために用いる針金も筋金と言います。
変わったところでは、鉄道のレールをすじがねと呼ぶ事もあったようですね。
鉄道のレール以外は、全て補強のためのツールとして用いられ、板戸を堅固にするといったところに建築や住まいに関わる言葉としての端諸があります。
鉄筋コンクリート構造は針金ではなく鉄筋で補強されていますから、文字通り筋金入りという言葉がぴったりだと思います。
なぜなら鉄筋コンクリートの歴史を振り返ってみると、筋金を入れてモノの構造を堅固にする発想からこの技術が生まれたと考えられるからです。
1850年にフランスでJ・L・ランボーが筋金をボート状に組み、モルタル造りのボートを製作。1855年のパリ万博に出展し、特許を取得しました。
1867年には同じくフランスの庭師、J・モニエが鉄線で作った金網にコンクリートを流し込み、耐久性のある植木鉢を製作し、特許を取得。
その後モニエは、鉄筋を碁盤のように組む配筋法を考案し、鉄筋コンクリート工法を構築しました。
そして現在に繋がる耐火性に優れた床、耐震性のある家屋・橋を製作したのです。
その成果が1985年のアントワープ万博で披露されると、ドイツのG・A・ワイスがこの特許を買い取り、その後構造計算方法を考案し、土木建築技術として開花させていきます。
一般にコンクリートは圧縮力に強い耐性があり、引張力に対しては脆弱です。一方鉄筋は引張力に強い。つまり鉄筋コンクリートは圧縮力に対してはコンクリートが、引張力に対しては鉄筋が支える堅固な構造物なのです。
鉄は酸化しやすく、高温に弱いという特徴を持ちますが、強アルカリ性で火に強いコンクリートで覆う事でこの弱点を補う事が出来ます。
また両者は熱に対する膨張度・収縮度が同じという相性のいいコンビでもあります。
日本において鉄筋コンクリート構造の建物は、明治時代から造られ始めました。その堅牢な構造を何より世に知らしめたのが関東大震災でした。
今では建物そのものの強度と共に、造形や設計上の自由度が広がるというメリットも浸透し、公共建築物から住宅にまで普及しています。
鉄筋コンクリート構造の耐震補強技術として、炭素繊維で覆う工法や、丸い鋼管の中にコンクリートを充填する鋼管コンクリート構造という新しい工法もあります。
筋金の入れ方にも様々な選択肢が生まれているようですね。
そうそう、ワタクシも筋金いりのホッピー好きでした。
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posted by Hoppy Red
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