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先日の健康・省エネ住宅シンポジウムの際に立ち寄った書店で、こんな本を見つけました。
以前から読んでみたかった本です。
ダイヤモンド社 刊
田鎖郁夫×金谷年展 著
家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
帯には
「日本の2階建て木造住宅の97パーセント以上が構造計算されていない」という事実を知っていますか?
とあります。
大地震のたびに繰り返される悲劇の本当の原因はなにか?
その答えが、この本の中にあるようです。
本を開くと、フランク・ロイド・ライトのこんな言葉から始まります。
『住宅の本質は壁と屋根にあるのではなく、その生活の営みにある。』
序章を抜粋してご紹介します。
『3匹の子ぶた』という有名な童話がある。
この話は、「大きくなったので今日からは自分たちで暮らしなさい。」とお母さんに言われた3兄弟の話である。
一番上のお兄さんは『わらの家』をつくり、二番目のお兄さんは『木の家』をつくり、三番目の弟は『レンガの家』をつくる。
『わらの家』と『木の家』はオオカミに吹き飛ばされてしまうが、『レンガの家』はオオカミに襲われても壊れずに、オオカミを懲らしめるというものだ。
これを聞いて育った子供は、わらの家や木の家は危なくて、レンガの家は安全だと思うだろう。
しかしこれはイギリスの話である。
地震がほとんどないイギリスでは、地震よりも風の被害が怖い。
風の力を中心に考えて家づくりをする国では、重い建物の方が風害を受けにくい。だからレンガの家だけが助かるのだ。
しかし地震の被害が一番深刻である日本では全く別の話となる。
地震において一番安全なのは、軽い家『わらの家』である。たとえ壊れても圧死しないからだ。
ただし風に弱いのは同じである。
二番目は『木の家』である。
建物自体が軽いので地震時に掛かる力も少なくて済む。
そして地震大国日本では、一番危険なのが『レンガの家』である。
一番重い建物なので地震時に掛かる力が最大になるし、潰れたら圧死してしまうだろう。
防災の第一人者である名古屋大学の福和伸夫教授は、コラムの中でこう述べている。
「万一、私達が原始生活をしていたら、地震なんてまったく怖くない。きっと、地震はびっくりしたりワクワクしたりするような揺れでしかないだろう。」
「揺れる場所に人工的にたくさん作ってしまったから災害が発生する。そして、人が集積すればするほど災害は酷くなる。」
実際に縄文時代には今と同様に大地震が数多く起こっていたにも関わらず、その被害で人が亡くなったという形跡は全く見られないという研究報告があります。
地震が人を殺すのではなく、人間がつくった重くなった建築物が壊れることで人に危害を加えるのである。
日本では台風も地震も怖い。つまり、日本版の三匹の子ぶたの物語では『木の家』をつくった二番目のお兄さんが賢い選択をした事になります。 ~以下略
熊本では、多くの方が大変な思いをしています。さぞかし辛いことだと思います。
巷で囁かれている言葉があります。
地震は、天災ではなく人災である。
もし、本当にそうであるならば・・・。
こんな時だからこそ、建築に携わる私達が我が身を振り返り正しい選択をするべきではないでしょうか?
さっそく、読み始めました。耳の痛い話もたくさんあると思います。
読み終えましたら、感想を書きたいと思います。
機会がありましたら、是非ご覧ください。
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