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前回で完結したはずの、この話。
すいません。
おまけがありました。
ついでですから、外張断熱工法編をご紹介します。
ボード状プラスチック系断熱材による外張断熱工法の一般的な外壁の断面構成は上図の通りです。
断熱材が水蒸気を通しにくいので、防湿層は必ずしも必要ではありません。
その場合は、断熱材の外側に透湿抵抗の大きな合板等の施工は避け、通気層を必ず設けてください。
また気密層をどこにするかで施工方法が異なりますが、いずれにしても気密層が連続するように注意して施工します。
ボード状プラスチック系断熱材による外張断熱工法の場合、透湿防水シートを省略する事も可能です。
ただしその場合は『3条申請』を行う必要があります。
3条申請・・・
『住宅瑕疵担保履行法』により、雨水の侵入を防止する部分の10年間の瑕疵担保責任の履行が義務付けされています。
同法の設計施工基準には、ボード状プラスチック系断熱材による防水層の仕様はなく、基準以外の防水仕様を採用する場合は、同等以上の防水性を有するものとして認定を受ける事になっています。
この同等認定を取得しているボード状プラスチック系断熱材は、適用除外申請(3条申請)をする事で透湿防水シートを省略する事が出来ます。
ボード状プラスチック系断熱材を使用する上での注意点は以下の通りです。
1.断熱材をカットする場合は、断面を直角にし、断熱材同志の突付け部分に隙間が出来ないようにする。
2.ボート状プラスチック系断熱材による外張断熱工法では、断熱材の厚さや外装材の重量等に応じた専用のビス等があります。断熱材の厚さが増した場合は、外装材の取付にも十分注意が必要です。
ボード状プラスチック系断熱材による外張断熱工法の断熱材厚さは、50mmが限界と言われています。
それ以上厚くすると、外装材が垂れ下がる危険性が増大します。
また断熱材の上から通気胴縁で流し、その上から専用ビスで構造躯体に留め付ける必要があります。
高価なビスですから、類似品を使用する事がないようビスの種類の確認が必須となります。
3.ビスが柱や間柱から外れて通気胴縁を断熱材に留め付けてしまうと、強度が保てないだけでなく、ビス先端が室内側に出てしまい『熱橋』になります。冬季の内外温度差により結露が発生する事になります。
4.断熱材で気密層をとっている場合は、外装の垂れ下がりによる専用ビスの穴の拡大で気密性能が大きく低下する恐れがあります。
こうしたブラケットの使用をお勧めします。
ボード状プラスチック系断熱材による外張断熱工法には、面材を気密層とする方法と、断熱材を気密層とする方法があります。
面材を気密層とする方法です。
柱・間柱に取り付けた面材を気密層として利用します。
下地のある部分で継いだ面材は気密層となります。
この場合の継ぎ目の気密テープは省略する事ができますが、下地のない部分で面材を継いだ場合は、継ぎ目に気密テープを貼ります。
出隅部では、断熱材を柱芯に合わせて割り付けし、釘で仮止めした後専用ビスで留め付けます。
入隅部では、通気胴縁を留め付ける受け材を忘れずに施工します。
断熱材を気密層とする方法です。
断熱材の継ぎ目に気密テープを貼ります。
この方法は寒冷地では望ましくありません。
気密テープは、下地の無い断熱材の継ぎ目に貼る必要があります。
気密テープの上に押さえ材が無い場合は、剥がれる恐れがありますから注意が必要です。
その他、以下のような気密層の取り方があります。
躯体が面材や断熱材を貫通する部分では、隙間が生じやすいので注意が必要です。
気密テープや現場発泡断熱材を施工して隙間を塞いでください。
外壁と基礎外側断熱との取り合い部は、隙間による断熱や気密の欠損が生じないように注意して施工します。
もし隙間が生じた場合には、現場発泡断熱材で隙間を充填します。
基礎内断熱の場合は、冷えたコンクリートから熱が伝わってアンカーボルトやホールダウン金物が、室内側で結露する恐れがあります。
金物廻りを現場発泡断熱材で断熱補強します。
また、室内側の基礎天端と土台の間も結露する恐れがあるので、断熱補強をします。
以上で終わりです。
ありがとうございました。
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