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今日は水曜日。
アセットフォーの定休日です。
東向きの窓から差し込む朝日が眩しくて、つい早起き。
こんな本を読んでいます。
塩野米松 著
木の教え
ちくま文庫 刊
木に関する、気になる話がたくさん書かれた一冊です。
こんな話が載っていました。
砥石の役割、ヤスリの役目
木の葉も意外なところに使われてきました。
ヤスリの代わりに使う葉があるのです。
桜の皮を張ってつくった茶筒やお盆、箱などの桜皮(カバ)細工は形が仕上がると、ムクノキ(椋の木)の葉で磨き上げます。
ムクノキは関東よりも南の山に自生する、かなり大きくなる木です。
エノキやニレの木の仲間で、秋には黒い実がなります。
この木の葉は表面がザラザラしているので、ヤスリの代わりに使いました。
この葉は乾燥してもそのザラザラが無くならないので、長期間保存して使うことが出来たのです。
桜皮細工の仕事は、雪国の秋田県角館で盛んに行われていますが、昔この町の桜皮細工問屋さんから大量の乾燥したムクノキの葉が送られてきました。
今は紙ヤスリや水ヤスリなどの肌理の細かいヤスリが普及したので、ムクノキの葉は使わなくなったそうです。
もう少し目が粗く、木の肌を削ったり、刃物を研いだりするのに使ったのはトクサという草の茎です。
トクサは60cmから1mほどで、土筆を大きくしたような形をしています。
もっと大きく、巨大にしたら恐竜映画に出てくる背の高い木々に似ているかもしれません。
トクサはシダの仲間で、茎の周囲に縦に細い溝が連なっています。
その溝は、縁が鋭くザラザラしています。
この茎で爪をこすると、きれいに磨きあがります。
それほど表面がザラザラしていて丈夫です。
トクサをたくさん採取してきて、茎に刃を入れて開き、板に何枚も貼り付けて、ヤスリとして木の肌や家具を磨くのに使いました。
ちなみに草の葉の中には刃物のように鋭いものもあります。
遊んでいてススキの葉で指を切ったことはありませんか。
虫眼鏡で見ますとススキの葉の縁にはガラスのように鋭い結晶があります。
こんな感じで、時に懐かしく、時にめったに聞く事の出来ない木にまつわる話がいっぱいの本です。
最後の法隆寺の棟梁と言われる西岡常一氏のお言葉もあります。
木の活かし方、森との付き合い方を通して、社会・人間関係の在り方を問われているような気がしました。
私が子供の頃には、まだ至るところに自然の森があり、そこで木々や草花を使った様々な遊びをしていました。
そういえば今の子供達って、こうした木々・草花を使って遊ぶ事なんて知らないんだろうなぁー。
こうした文化を次代に引き継いでいくのも、私達の役目なのかもしれませんね。
あなたも、読んでみてはいかがでしょうか?
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posted by Hoppy Red
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